2021年冬アニメ審判レビュー

はい、僕(やつがれ)です。

 

アイカツプラネット

実写パートもキツいが、アニメパートの下手くそな演技が聞くに堪えない。コンテンツとして明らかに失敗している。

 

アイチュウ

カス。心ちゃんは可愛い。1点

 

アイドールズ

CGの動きや新人声優の演技からボロそうな住処や雑な話展開まで、王道アイドルアニメを偽装するOPやEDが意図的であろうことも含めて、すべてが安っぽいのだが、だからこそ逆に愛おしくなる謎の魅力があることもまた事実であり、私はその魅力に、幾ばくか取り憑かれてしまっている。6点

 

IDOLY PRIDE

アイドルアニメとして非常に凡庸というか、宣伝であれだけ散々大袈裟に煽っておいてこのクオリティは中途半端というほかない。キャラの積み重ねも全く感じられない。曲はそれなりに好き。5点

 

アズールレーンびそく

キャラが単純に可愛い。内容は薄い。5点

 

異世界の門

ノベルゲー形式のペラペラ紙芝居などという甘っちょろいものではない。声優は3ヶ月間練習を積んだらしい素人未満の棒演技だし、キャラは不自然な格好で突っ立てるか左右に揺れるだけで地の文もないため画面から何が起きているのか1ミリも察することができない。筋立てや設定もよくある平凡なRPGで面白味に欠ける。全24話予定らしいが、本当に完結するのだろうか?

 

異能のアイシス

Charlotteっぽい。緑川光がカッコ良さな役やってると嬉しい。

 

ウィクロス

胸がデカい、胸にしか目がいかない。顔もみんな可愛い。ウィクロスのルールは相変わらず分からない。2点

 

WAVE!!

お粗末なホモアニメ。お粗末とコラボCMやってるし。キャラが日常感覚と乖離しすぎて魅力がないし、展開も雑。3点

 

ウマ娘

キャラの関係性や見せ場の作り方などそれなりに面白いとは思うが、キャラデザが刺さるわけでもなく、馬について前提知識があるわけでもないので、楽しみ切れないし、全体としてあっさりしていて盛り上がりにも欠ける。7点

 

裏世界ピクニック

危機意識に欠けるキャラの言動いちいちがアホすぎて呆れるし、話も何をしてるのかよく分からない。ネタがネットロアだったりと妙に安っぽいし、映像も中途半端なC級ホラーといった感じ。3点

 

エビシー

エビシー無能。蜘蛛よりも短いから同じ悠木碧アニメでもこっちの方がマシ。1点

 

エクス

これは現代アニメが生んだひとつの奇跡である。常に画面にかかる謎のモヤ、紙芝居のようにペラッペラな2Dキャラ、妙にスローテンポでメリハリのない動き、ダイナミックな料理シーン、虫のような匍匐前進、突然光るキスシーン、見開いたまま全く動かない眼球、どうしたらこんなアニメを作ろうと思えるのか、そして実際に作り出すことができるのか、単なる経済的要因を超越した超常的な何かが作用しているような気さえする。僕(やつがれ)はロイヤルリムジンを応援しています!

10点

 

俺だけ入れる

低俗極まりないアニメだ。特に問題なのは言うまでもなくハーレム自慢大会、制作陣は恥を知れ。0点

 

おとなの防具屋さん

くだらないなりね。3点

 

SK

カッコいいスケボシーン、顔も声もカッコいい男たち、すべてがカッコ良く、勢いとテンポ感もある。内海紘子の達人的なホモ演出と大河内一楼の脚本術が上手いコンビネーションを生んでいると思う。9点

 

OBSOLETE シーズン2

カニックや世界観等細部のディテールは本当に凄まじい。ミリオタのフェティシズムここに極まれりと言った具合で、ガサラキやFLAGの延長線上にある作品として誇るべき完成度を誇っている。その分、ストーリーは殆どないに等しい。最終回は笑った。8点

 

オルタンシアサーガ

へなちょこギャグアニメ。3点

 

怪病医ラムネ

ちくわの陰茎。3点

 

回復術師

この作品の本質が復讐物であるとか、根底にミソロジーがあるとか、そんなことはもはやどうでもいい。肝心のエロシーンが何も見えないのでオカズとしてすら使えない、これが問題である。2点

 

キメツ学園

虚無すぎる。ジャンプのキャラ全振りショートアニメは何を楽しめばいいのか本当に分からない。1点

 

岸辺露伴

話自体はこぢんまりとしているが、声優の狂った演技と異常な映像演出でゲラゲラ笑えるイカしたアニメになっている。9点

 

蜘蛛ですが

蜘蛛気持ち悪い、今期虫アニメ多すぎ。原作が一人称なのは分かるし1匹で地下を探検するんだから会話が発生しないのも当然だけど、それにしてもモノローグがくどくどしいし単純にうるさい。人間パートの話も面白くない。1点

 

ゲキドル

10点

 

ざんねんないきもの事典

NHK教育アニメっぽい内容。無。

 

弱キャラ

ぱっと見の印象はポスト俺ガイルだが、やはり根本的に違う。陰キャオタクが美少女にすべてを用意してもらった上で自己改造(笑)する話など、悪い意味でオタクの妄想以上のものではない。そこには人間関係の探求も真実人間の追求も何もない、ただのポルノである。2点

 

進撃の巨人

不思議な変則放送。政治パートは面白くないが、戦争描写はとても楽しい。

 

真中華一番

トンチキ料理で笑えるし、食欲も唆られる。中華食いたい。7点

 

じみへん

エロい。4点

 

進撃の巨人

戦争シーンは迫力あって大好き。虐殺シーンも大好き。巨人が無敵というわけではなく兵器と戦術次第で人間でも倒せるのも好き。政治パートは無。7点

 

怪物事変

僕(やつがれ)はショタコンではないので。4点

 

五等分

偏差値低い女に興味を持てない。話はコテコテのラブコメで可もなく不可もなし。でも正直2の竹達は好き。4点

 

スケート

谷口悟朗はここ数年の谷口悟朗は後進の育成に力を入れてるイメージがある。アクティヴレイドで総監督を務めたことが良い例だろう。今作も同じく総監督を務めている。監督はスポーツ物を手掛けてきた福島利規。SFロボットに定評のある谷口がスポーツ物、それも色々と制約が厳しそうなスケートを題材にしたオリジナルスポーツをやるのは内々不安だったが、今のところその不安は的中してる印象がある。全体的なスケート描写はお粗末だし、ではドラマ面を際立たせるのかと思えば、人間描写にも光るものはない。谷口の信者としては実は名義貸しで具体的な関与はしてないのかなと思いたいが、OPのマイナーチェンジやクセの強い主人公など、これ谷口っぽいなぁと思える要素が方々にあり、何より絵コンテを切ってるため、やはり無理がある気がする。しかしこれはまだ分割2クール。谷口アニメは後半から面白くなると、私は信じている。

 

SB69

神。完璧。最高。本当にオールスターって感じで文句の付け所がない。シアン!!!!!

10点

 

装甲娘

N回観た美少女ミリタリでいい加減飽きそうだけどメカのギミックとかは結構好き。ギャグっぽい。

 

タイバン!

ボコボコのCGでどうしてもクオリティをD4DJなどと比較してしまうが観ているうちに段々と慣れた。場面転換も少なく会話劇を主軸に話が進む為、何処か舞台劇を思わせる雰囲気がある。キャラの描写自体はよくある話で、特に拒否感を覚える類のものではない。

 

たとえばラスト

MAOさんの関西弁をもっと聞きたい。面白くはない。2点

 

てんでぶ

極めてなにか生命に対する侮辱を感じます。1点

 

転生したらスライム

アホ臭い。おもんない。3点

 

ドクターストーン

僕(やつがれ)は文系なので理系の知識はよく判らぬが、それでも筋立ての妙でハッタリの効いた内容になっているため非常に楽しんでいる。癖の強いキャラや独特なユーモアも良い。9点

 

とーとつにエジプト神

虚無ショートアニメっぽいけど声優は豪華で楽しい。7点

 

23時の佐賀飯アニメ

CMっぽい。極上飯作画で佐賀飯食いたくなるけど一人暮らしの身には毒だ。3点

 

のんのんびより

相変わらず最高。2021年にのんのんが観れることに感謝しかない。日常系の一つの到達点ですよ。10点

 

2.43

最高に面白かったハイキューの次クールにこれやるの無理がある。展開もDQNがバカなことやってるだけで雑すぎ。福井のヤンキー怖すぎ。4点

 

はたらく細胞!!

全く面白くない。ロリやショタなどの安直なマスコットキャラで視聴者を釣ろうとする姿勢も不愉快だ。このアニメを観るくらいなら人体模型でシコる方がまだマシである。1点

 

はたらく細胞BLACK

全く面白くない。そもそもはたらく細胞自体が面白くないのだから、そのスピンオフが面白いわけがない。その上、女性蔑視的な価値観や全体主義的な思想が強化されている点は、不愉快極まりない。特に細胞としてキャラに役割分担をさせることで、構造的に女性が逆らえないように設定しているのは、露悪的というほかない。0点

 

バック・アロウ

谷口悟朗アクティヴレイドの辺りから古臭い物語展開を露骨に志向し始めた様に思う。その傾向自体は昔からあったのだが、それが色濃くなった。ジャングル大帝を現代風にリメイクして以降、暫く監督を務めることがなかった訳だが、その辺が一つの契機なのかなという気がする。ID-0もrevisionsなども古典的なSF設定を踏襲した佳作だったと思うが、まぁつまり渋い。で、本作だが、中島かずきの熱血要素と相まって、その傾向に更に拍車の掛かった印象がある。冒頭で前回までのあらすじを流したり、ロボのデザインが絶妙にダサかったり、特に説明もなく技や設定を開示したり、勢い任せで勝負が決まったり、ホワイトベースっぽい空飛ぶ戦艦に村人たちが乗り込んで漂流したり(ガキンチョ3人組なんかもろファーストガンダムのオマージュ)、色々と古臭い。それが単に古臭いなぁで終わるのか、こういうアレンジもあると納得するのかは、後半になってみないと分からない。今の処、話は起伏なくのっぺりとした印象を受けるが、谷口悟朗のアニメは2クール目から面白くなるので(今作を観て真っ先に想起するスクライドガンソードも1クールの終盤まで面白くなかった、まぁプラネテスコードギアスは序盤から面白かったけど)、やはり後半になってみないと分からない。懸念材料はどちらかというと中島かずきで、彼は伏線回収とか得意ではないと思うので、少し心配ではある。

7点

 

BEASTARS 2期

一番注目したいのはEDで示唆されているルイとイブキの関係性がどう転ぶのか。肉食社会における彼の生き様に希望はあるのか。

 

ぶらどらぶ

押井と純二のコンビ。放送前から期待していたが、良い意味で想像通りな作品で安心した。余裕すら感じられる大御所相撲のナンセンスギャグが日高里菜ボイスが見事にマッチしたキュートなヒロインを中心に次々とテンポ良く繰り出される作劇は何処か懐かしさをも抱かす快楽に満ちている。然しその様な安定志向とは対極を志してこその押井守であり西村純二であると信じているので、より常軌を逸した展開を待望する。9点

 

プレイタ

GoHandsらしい極端に青い画面に、スタイリッシュなアクション描写とクールなセリフ回しが気持ち良い。美麗なCG背景と二次元キャラの違和感ない並存など、技術的にも高度なことをしている。話はまだどうなるかよく分からないが、画面の満足度は非常に高い。7点

 

PUIPUI

モルカー無能、車は人間様に奉仕すべし。5点

 

ぷっちみっく

キャラが可愛い。5点

 

文豪

泉鏡花が好き、泉鏡花可愛い、泉鏡花愛してる。某の求めていたショートアニメはこれだと思った。10点

 

ホリミヤ

可憐なキャラデザや丁寧な作画など、画面の満足感はかなり高いのだが、登場人物同士の心の機微など、青春作品としてあるべき描写が希薄な気がする。映像のクオリティが高い分、それっぽいシーンでそれっぽい雰囲気を醸し出してはいるが、根本的な内実が伴っておらず、オチもくだらない。真剣に思春期の少年少女の恋愛模様に向き合ってる作品とは到底思えない。5点

 

魔術師オーフェン

おもんない。これ本当にリメイクされて続編作られるほど人気あるのか?

 

魔導祖師

1話2話における怒涛の人名用語連発で危うく振り落とされそうになったが、過去編になってからは物語も分かりやすいBLファンタジーとなり、美麗な映像も相まって中々満足度の高いものとなっている。7点

 

無職転生

とにかく作画がすごい。転生なろうの金字塔らしく、34歳無職童貞おじさんの醜悪な性格に関しては見苦しい点も少なくないが、話も割としっかりしてる。映像で物語に説得力が生まれるのがアニメなのだなぁ。7点

 

約ネバ

原作を丁度脱走した処迄しか読んでいない為、具体的な内容は知らないが、それでもアニオリであることが容易に分かる急展開で、物語としての起伏にも乏しい。これで本当に綺麗に纏まるのだろうか。諸星すみれの演技は相変わらずすごい。6点

 

八十亀

安定の面白さ。八十亀も可愛い。8点

 

闇芝居 8期

オチを視聴者の想像に委ねる系の話ばかりなので怖くない。

 

幼女社長

日高里菜最強。CMで死ぬほど聞かされてるOPも好き。もっと輝いちゃえ今はキラッキラなお日様がライバルぎゅっと楽しんじゃおいつもドキドキでいたいのねえ遊ば!6点

 

ゆるキャン△2期

空気感の作り方、緩急の付け方、ディテールのきめ細やかさなど、全体的な映像のクオリティが尋常でなく高い。1期を経てのキャラ成長や関係性の変化なども脚本上の見所として上手く配されている。惜しむらくは、私が個人的に地理的な話に極端に疎いあまり、観光シーンにさほど思い入れることができない点である。9点

 

リゼロ

尺の使い方が贅沢。すごーく丁寧に描いてることが伝わってくる。話は複雑でよく分からない。7点

 

レビウス

3DCGによるボクシング描写は迫力あるが、さほど目新しいことをしているとも思えず、新鮮味に欠ける。5点

 

ワールドトリガー

原作が面白いので話は良いのだが、作画や演出のテンポが悪く、原作の持ち味である戦闘シーンの魅力を損なっているように思う。7点

 

ワールドウィッチーズ

キャラデザは501発進しますの方が好き。502のキャラ全然覚えてないけどひかりは可愛い。全体としてそれなりに笑える出来にはなってる。7点

 

ワンダーエッグプライオリティ

テレビドラマから逃げてきた野島伸司がアニメの世界で何をするつもりなのか、若干の関心を持ちながら放送を待っていた。映像は本当に素晴らしいと思う。肝心の脚本だが、キャラの描写は希薄極まりないし、台詞や設定から避けて見える前時代的価値観には目も当てられない。説明不足な描写が、上質な作画で下手に説得力を帯びそうになっているところが更に悪辣である。本当は何も考えてないだけなのに、我々アニメ視聴者の「リテラシー」なるものを期待して考察してもらおうなど、甚だ身勝手な態度と言わざるを得ない。テレビドラマはコンプラに縛られて息苦しくなった?寝言は寝て言え。確かに近年のテレビドラマは全盛期に比して圧倒的につまらなくなっている。その問題意識だけは野島伸司と共有しているつもりである。私も彼と同時代の作品、具体的には山田太一倉本聰向田邦子等が活躍していた時代の作品群に強く影響を受けてきたからだ。しかし、今日のテレビドラマがつまらなくなった理由は、他でもない、野島伸司その人が、幼稚で低俗な人間観と過度にカリカチュアされた作劇によって、日本のドラマが本来持っていた社会性を堕落させたからであろう。どの口で昨今のテレビドラマの惨状を批判するというのか、ふざけるのも大概にしろ。その上、アニメはコンプラに支配されてない自由度の高い場所だから好きなことが書けるだと?貴様はドラマだけでなくアニメまで愚弄するというのか?日本のカルチャーをどれだけ荒らせば気が済むのだ?視聴率が取れなくても本当にドラマを愛しているのならば真剣にドラマと向き合え。もはや老年に差し掛かった大の大人が、そんなガキみたいな言い訳をしてどうする。我々アニメ視聴者は、高い「リテラシー」をもって、この作品を徹底的に吟味し、とりわけその脚本について、正当な評価を下すべきである。

2020年アニメ映画

アニメ映画が公開されれば一応足を運ぶようにしている。前評判や自身の興味関心に関係なく、アニメ映画ならばとりあえずは観る、という意味だ。勿論、公開されたアニメ映画をメジャー・マイナー問わず全て観ることはできないが(それをしている人が私の知人にはいるが)、なるべく観らよう個人的な努力を重ねた成果をここでは発表する。映画批評の大家である蓮實重彦は、ある程度真剣に映画レビューを書こうと思ったら最低でも2回は観るべきだと言った。今年観た映画で私が周回した作品は皆無である。そのため、以下のレビューは初見のフィーリングに大いに依拠している。そのことはあらかじめお断りしておく。今年は新型コロナウィルス感染症の影響で多くのアニメ映画が公開延期となり、中には来年まで公開が持ち越されたものも少なくない。困難な中上映にこぎつけた作品群に、敬意を払って鑑賞したい。前置きが長くなった。ネタバレはなるべくなしの方向で。

 

規則:2020年に日本で劇場公開された新作アニメーション(日本初公開の海外アニメや配信サービスを含む)

 

 

劇場版ハイスクール・フリート

TrySailに感情がまだあった頃に観たから終盤でかかる「High Free Spirits」と主題歌の「Free Turn」で発狂してた(追記:もちょライブで感情取り戻した)。ミリオタのオナニーである戦艦バトルも、劇場クオリティの豪快で迫力のあるものであり、かなり楽しめた。それ以外は特筆すべき点もない予定調和の進行であったが、唯一百合オタクにターゲットを絞ったような、ミケとシロに娘ができる展開は笑顔になった。

 

メイドインアビス 深き魂の黎明

テレビアニメから続く一つの物語に対して決着をつける意味でも楽しめたし、一本の映画としても良質な鑑賞体験を味わえた。エログロナンセンスを可愛らしいキャラクターの背景に織り込む手法は非常にスクリーン映えすると思う。

 

劇場版SHIROBAKO

テレビアニメの内容ほとんど忘れた状態で行っても楽しめたし、テレビアニメをもう一度観てから行って更に楽しめた。テレビアニメでテレビアニメを作ったのだから、次はアニメ映画でアニメ映画を作るという構成は至極納得のいくものであり、解散したメンバーがまた一堂に会して一つの作品を作り上げる様は観客の観たかったSHIROBAKOを必要十分に提供していたし、テレビアニメから5年の歳月が、そのままキャラと観客の生活とリンクする仕掛けも、我々の没入感を高めたと思われる。一本の映画としても良く出来ているが、ファンムービーとしても秀逸な作品である。

 

デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 

これかなり反省点があって、私はデジモンはテレビ版の無印しか観てないので、そもそもこの映画を語る資格がないんですよね。デジモンというキャラの属性的にこういうオチになるのは結構納得という感じではあった。

 

劇場版PSYCHO-PASS3 FIRST INSPECTOR

アマプラで視聴。一応まとめた感じにはなっているけど、テレビアニメに続きどうにも粗いなぁと思える点は多々ある。そもそも1時間枠の8話構成というイレギュラーな放送形式を選んでおいてオチは劇場版というのは、クリエイターとして恥ずかしくないのだろうか。冲方丁ファフナーに続き、PSYCHO-PASSまである種の年代記にしようと目論んでいるのか、続編がありそうな雰囲気でもあった。狡噛慎也常守朱等、シリーズにお馴染みの人気キャラの扱いも、ファンとしてはとても十分なものに思えない、雑と言われても仕方のないレベルであった。公開前には監督がTwitterで制作状況についての苦悩を吐露していたため、正直観るのが少し恐ろしかったくらいなのだが、映像面での完成度は一定のものを担保していたように思った。

 

泣きたい私は猫をかぶる

ネトフリで視聴。全然泣けない。コメントのしようがない。千と千尋の神隠しを思わせる異世界と現世の隙間はいい加減手垢のつきすぎた題材であり、その描写にも独創性がない。私は佐藤順一のことが好きだし、岡田麿里のことも好きだ。しかしどうもこの2人の相性は微妙なのではないか。卓越した個性がぶつかる結果として、当たり障りのない平凡なものが産み落とされている気がしてならない。

 

少女歌劇 レヴュースタァライト ロンドロンドロンド

テレビアニメの単なる総集編ではない。演劇的な実験性に満ちていた。テレビアニメで完全に決着がついた物語を継続させるためには、ラストのような多少強引に思える繋ぎ方が必要だったのだろう。この作品は単体で完結していない、続編たる完全新作映画を待ってのみ、初めて評価できる。

 

ドラえもん のび太の新恐竜

私は仮にもドラえもんファンなので、藤子F不二雄先生が亡くなって以降のドラえもん映画、とりわけ声優が公開して以降の映画はリメイクもオリジナルも退屈で閉口していたのだが、今回はかなり楽しめた。勿論、筋立てに粗い点があることも否めないが、それはF先生が原作を書いていた頃から少なからずあったことである。近年のドラえもん映画で私が最も違和感を覚えていたのは台詞である。ドラえもんは印象的な台詞回しが多く、それを意識してのことであろうが、オリジナル映画の場合は脚本家の自意識が台詞上に顕在化しているかのように思える無様でテンポの悪い言葉選びのオンパレードで、ドラえもんという作品の持つ構造的強度と全く噛み合っていなかった。それが今作では中途半端な台詞が登場しない。控えめで、調整の効いた台詞が並ぶ。この時点で心地良い。単にのび太の恐竜をリブートした作品であるだけでなく、終盤の展開は竜の騎士を想起させる、程よい原作リスペクトで評価できる。ドラえもんという作品から遠のき、幾らかアニメ映画の視聴本数を重ねる中で、私の許容範囲が広がったことは否めないが、この作品を起点に、ドラえもん映画は新たな地平を切り開くのではないか、そう思わせてくれる作品だった。映像も素晴らしかった。

 

劇場版Fate/staynigjt Heaven's Feel

Ufotableによる映像の迫力は言わずもがな圧倒的で、表情の細かい作画や声優の行き届いた芝居がキャラクターに奥行きを与える。反面、物語的には桜を救うという明確なゴールへ向かって一直線のため、3部作全体として見た場合一番起伏に乏しいパートでもあり、その点はやや平凡に感じないこともなかった。

 

映画 ギヴン

BLというジャンルに対する色眼鏡は全くもって不要、テレビアニメに引き続き真っ当な恋愛ドラマだった。ここまで良質な恋愛アニメは近年稀である。テレビアニメも素晴らしかったけれど、大学生組の2人に焦点を当てた作劇は、より複雑な心のやり取りが感じられてまた違った趣があった。特に私は人が振られる瞬間をどう描くかで恋愛ドラマの質は決定されると確信しているが、その点でも、あのキャラが振られるシーンは涙なしには見られない。

 

思い、思われ、ふり、ふられ

2時間の限られた尺の中に漫画の見せ場を詰め込んだようで話が雑かつ急展開すぎる、ほとんどギャグアニメ。あと島﨑信長の演技についてなのだが、前から思っていた通り、イケメン高校生の表現パターンが少なく、どのキャラも同じように聞こえてしまう。

 

劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン

泣いた。あの描写では正直少佐の言う「あいしてる」が結局のところロリコンの異常性愛なのではないかと思ってしまうけれど、少佐の過去を掘り下げたことでまぁ許そう。現代の視点からヴァイオレットの功績を振り返る作劇は、手紙というコミュニケーション媒体が人間の実存を問わず残り続けることを明瞭に物語る。その狂言回しとしてテレビアニメ10話に登場した少女の孫娘を使った点は、少々邪知深い気がしないでもないが、テレビアニメに引き続き声優を務めた諸星すみれの演技は言うまでもなく絶妙であり、これまた許さざるを得ない。ヴァイオレットがテレビアニメにおいて達成した成長が些か後退しているように感じられること、ホッジンズがテレビアニメに比して過保護すぎること、等々、違和感は幾らか認められるものの納得できないほどではないし、何よりヴァイオレットが少佐と結ばれるまでの流れはやはり美しいものであったし、それは素直に祝福すべきものであるように思った。先にも言った通り、手紙=作品は作り手に関係なく半永久的に残るわけだが、あの事件で亡くなられた方々の名前をエンドロールで確認するたびに、この事実はどうしても胸を締め付けるものであった。京都アニメーションに最大限のエールを。

 

新しい街 ヴィルヌーヴ

墨絵を用いた繊細で大胆な実験的映像は海外のアート系アニメ映画ならではだと思ったし、高畑勲かぐや姫の物語を想起させる。高年夫婦の心の機微は私には少し理解できない部分もあったが、複雑な感情を惹起させる作品だと思った。

 

海辺のエトランゼ

松岡禎丞の少年ボイスが可愛かったことしか印象がない。60分アニメだから尺的な問題もあるだろうけど、付き合うまでの流れをもう少し丁寧にやってほしかったかな。

 

劇場版BEM

脚本雑すぎ。子供向け映画でも今時もう少しまともな話考えるだろ。テレビシリーズがそもそも面白くないので映画に期待するのは無理な話ではあるのだが。

 

鬼滅の刃無限列車編

見所は一つ、最後の煉獄さんの戦いに尽きる。テレビアニメは基本的にずっとたんじろうの話で正直好きになれなかったのだが、映画では煉獄さんがしっかり大人としての立ち振る舞いを見せつけてくれて本当に頼もしかったしカッコよかった。ラストバトルまでの流れは冗長で、結局ありがちな展開ではあるが、やっぱり主人公たちに何かを残して死んでいく先達の描写が私は好きなんですよね。日野聡の演技も急すぎるように思える展開の中で煉獄さんのキャラクターに説得力を持たせていたし、石田彰演じる上弦の三とのバトルも文字通り熱かった。エンドロールも煉獄さん一色で、LiSA歌う「炎」がその雰囲気に絶妙にマッチして良き。

 

映画 プリキュアラクルリープ みんなとの不思議な1日

コロナで遅れて秋公開になってしまった春恒例のクロスオーバー映画。春映画は基本的にファンサービスしてなんぼだと思ってるので、その点は結構満足だったかなという感じ。

 

ウルフウォーカー

海外アニメは作画で殴るという原則に忠実な映像美、エコフェミニズム的な世界観、わかりやすいストーリーライン、非常によく出来た作品だった。

 

羅小黒戦記

名アニメーター井上俊之が太鼓判を押すのも頷ける圧巻の映像世界、生き生きとした自然と迫力あるアクション、それだけで鑑賞するに十分な価値がある。物語内容はシンプルなように見えて、敵味方の境界を曖昧にさせるほど奥行きのある背景が設定されており、単なる中国共産党プロパガンダ映画とは呼ばせないだけの完成度を誇っている、良質なエンタメである。

 

クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者

キッズ映画ならこのくらいで面白いのかもしれない。クレしん映画から離れすぎていたので幼児期のような楽しみ方を忘れた。原恵一の監督作品はどれも楽しんでた記憶があるので、やっぱ根本的な内容が甘かった気がする。

 

どうにかなる日々

思春期のゆらぎが好物なので、3話と4話は結構楽しめた。4話のラストの台詞、そう来るとは容易に予想できたが、それでも気持ち良い迂遠のカタルシス。声優の対談を上映前に流すのは邪悪、微妙にネタバレ喰らったしせめて上映後に流してくれ。上映時間が短い上にオムニバスなのは見やすくて良い。

 

ミッシング・リンク

ストップモーションアニメの最高峰に相応しい映像世界を鑑賞するだけでも一件の価値はあるだろう。ただ、映像に気合を入れるあまりなのか、脚本は難点を含む。ヒロインの活躍はフェミニズムの文脈で把握可能だし、異種BL的な文脈での理解も可能であるが、そんなものは大した評価対象にはなり得ない。

 

蒼穹のファフナー THE BEYOND 第7話「帰らぬ人となりて」、第8話「遺されしを伝え」、第9話「第二次L計画」

前回の悲劇的な幕引きからどのように話を展開するのか、サブタイトルにあるあのL計画をもう一度やるのか、など不安を抱えつつ戦々恐々の面持ちで劇場に向かったが、今回はまだ希望を残す内容でホッとした。敵のフェストゥムがどんどん強くなる一方で、アルヴィス陣営のファフナーも負けじと進化し、無双する一騎や総士の姿は、我々に幾許かの安心感を与えてくれる。年代記であるファフナーは相変わらずキャラの成長が見所で、特に終盤の零央と美三香の奮闘はEXODUSの彼らを知っている分、本当に胸が詰まる思いになった。次回で完結のようだが、果たして本当に終わらせる気があるのか、風呂敷広げすぎてないか、まぁファンとしてはずっと続けてくれて構わないのだが、と様々に気持ちは入り乱れるが、なんにせよ期待して待ちたい。

 

君は彼方

ヒット映画にありがちな要素をパッチワークで無理やり繋げたお粗末な作品という評価を方々で耳にしたが、それに対して特に付け加えるべき点はない。端的に言ってギャグ映画であろう。特に突然歌い出す→何も解決せずに戻ってくるというお笑い展開に顕著だが、何度も同じような話を延々としてるので尺はさほど長くないのに退屈な視聴体験であった。池袋のイメージアップ戦略なのか、豊島区から相当金をもらっているようだが、このクオリティでは逆効果ではないのか。

 

魔女見習いをさがして

完全にファンムービー。映画単体として成立しているとは言い難い。まず幼少期におジャ魔女どれみに触れていた主人公3人であるが、彼女たちにキャラクターとして立体感を与え得るだけの背景は存在しない。それは非常に曖昧かつ抽象的なものであり、これは旅の途中で出会う青年(第4の主人公と言える)にも当てはまる。理由は簡単で、観客が自己投影するにはキャラが空虚な器でなければ成立しないからだ。その点からもこの作品がファンムービーであることは容易に理解できる。キャラのドラマが弱いのに、劇伴や挿入歌、作画・演出等々は、当時のものを応用又は改変した形で用いられているため、懐古的な気分だけはやたらと募る。第一、おジャ魔女どれみは実に4年の歳月をかけて少女たちの成長を描いているわけで、その厚みに90分で対抗できるはずがなく、当然そんなことは佐藤順一たちも理解しているからこそ、徹底的にファンムービーとして楽しめるように、表面的に別作品かのような皮を被せつつ、この映画を作り上げていることは自明であろう。とはいえ、つらつらと批判的なことを書いたが、おジャ魔女を直前に回収した私でも単純に感動的な気分でうるっとなったし、リアタイ世代からすれば本当に泣かせる作品であったことは間違いない。

 

グリザイア:ファントムトリガーTHE ANIMATIONスターゲイザー

前作はまだキャラと世界観の説明といった感じでパンチの弱い印象を拭えなかったが、今作からはしっかりとキャラに踏み込んだドラマが展開されている。現代のミッションと過去のトラウマ、この二つを行き来することでキャラの内面に迫るシンプルな作劇に、狙撃や銃撃の丁寧なアクション描写がフェティシズム溢れる彩りを与える。60分と上映時間が短いながらも、中編として綺麗にまとまっており、一般の映画として満足度の非常に高いものであった。ちなみに私は映画鑑賞当時原典にあたるグリザイアシリーズを未回収であり、つい先日回収が完了したばかりなのだが、こちらの方が当然だがよりミリタリー重視の作劇と演出がなされていると感じたし、個人的にもこちらの方が好みである。いよいよミリオタの勉強をする時が来てしまったか...

 

Fate Grand Order

場面転換とアクションで目まぐるしく展開していくのはいかにもソシャゲアニメという感じだった。この映画の観客層は、FGOのプレイヤー、もしくは私のように少なからずFateシリーズの知識のある者がほとんどを占めるのだろうが、それにしても前提知識として要求されてるものが多いように思ったし、一本の映画として独立性の高い作品とは呼べない。作劇上の疑問も幾つかあるが、これは前編であることを勘案してまぁ保留することにしよう。レジェンドアニメーター黄瀬和哉が絵コンテ・演出をはじめキャラクターデザイン・総作画監督を兼任するなど映像面で全面的に活躍していることもあり、バトル等の作画はそれなりに良質であったように思う。

 

エスかノーか半分か

意味深なタイトルを綺麗に回収してくれる作品は好きだ。ラストのセックスシーン、半分だけ入れる、いや我慢できない、全部入れちゃった、、、。最高である。結局これをしたかったのだろう。マスクの有無で2つのペルソナを作り出し、最終的にはその両者を受け入れる三角関係も面白い仕掛けだった。同時上映されていたまるだせ金太狼に関しては、病的とも言える設定と意味不明なホモギャグが最高に笑え、作品間の落差に耳がキーンっとなった。

 

FUNAN

カンボジア内戦を題材としたなかなかにエグい作品であった。作画も良質で映像面の出来栄えは素晴らしいかったが、中でも背景美術はとりわけ完成度が高く、美しくもただそこに圧倒的なスケールで存在する自然との対比により、極限状況に置かれた過酷な人間生活が更に浮き彫りになっている。単なる勧善懲悪ではない、人間存在の普遍的な変容と尊厳の在り方を描いた傑作である。

 

ジョゼと虎と魚たち

宮本侑芽の飛び抜けた演技力には毎回驚かされる。一言一言の重みがまるで違う。やっぱ恋愛作品は負けヒロインの魅力で9割決まるんですよねえ。主役を務めた中川大志と清原果耶も、俳優に声優をさせるなというオタクのつまらぬ愚痴を弾き飛ばす好演だった。物語自体は王道で後味も心地良い清涼感を残すものだったが、もっとエグい内容にすることは幾らでも可能だったであろうし、個人的にはむしろそちらの方が良かったかもしれないが、作劇がシンプルな分、映像等の地力が際立っていた。

 

えんとつ町のプペル

諸星すみれが最初に発話するキャラを務めたことが作品の方向性を規定しているように思った。つまり、彼女の声の出し方が、彼女がディズニー映画の吹き替えで行っているものと同型だったので、この作品はディズニー映画を意識しているのだろうと予想ができた。この予想はデフォルメされたキャラの動き(ルビッチの笑顔やプペルの歩き方)ややけに真っ直ぐな声優の演技(特に優等生的子役芝居の芦田愛菜)や大掛かりな絵作り(えんとつ町の風景やラストの爆発)などから裏付けられることになった。流石は諸星すみれ、天晴な演技力である。

 

劇場版ポケットモンスター ココ

作中で親子親子言いすぎて途中で観ているこっちが恥ずかしくなったほどだが、ポケモンはそもそもがファミリー映画であることを考えるとさもありなんといったところだろう。ストーリー展開はどこかアバターを思わせ、良く言えば王道、悪く言えば予定調和であったが、これもキッズ映画であることを考えれば当然だろう。一点、ポケモンという種は根本的に人間に従属する存在であるはずなので、町で花火を人間とポケモンが見ている姿をもって両者の友愛を知るココの思考回路は人間寄りなバイアスがかかってはいないかと思ったし、少々欺瞞的に思ったが、だからこそ最後のココの決断は意義を持つのかもしれぬと思った。

 

以上2020年12月31日時点、暫定的に記す。また何か観たら追加します。

 

 

 

 

2020年秋アニメ終盤レビュー

可愛さと血と涙。レビューは素面で書いたので真面目です。

 

アイドリッシュセブン Second Beat

アイドルアニメは不穏な展開してこそであることを私はアニメ視聴一年生の時に観たアニマスで学んだが、今作も最終回の拍子抜けしてしまうズッコケ展開以外は毎週不穏でシリアスな空気が全体を支配して居り、だからこそ最終回でギャグと捉えかねられないシーンを入れざるを得なかったとも言えるし、実際そのくらい毎週の視聴は胸に来るものがあった。7点

 

シルバニア

アビゲールちゃん可愛い。

 

アクダマドライブ

最終回のサブタイトルを恥ずかしげも無く「アクダマドライブ」にしてしまうセンスの無さ。内容的には安っぽい設定やありがちな映像のパッチワークで、キャラの言動にも説得力や魅力は皆無であり、製作陣の思想が微塵も感じられないこのような作品を評価する感性を、私は持ち合わせていない。3点

 

アサルトリリィ

設定は最後まで理解出来なかったし、展開も処処雑に思われる点は多々あったが、其れ等を吹き飛ばすだけの勢いある描写力と華麗な映像は視聴を容易にしていた。8点

 

安達としまむら

安達の陰茎をずっと幻視してた。4点

 

兄に付ける

面白い。此アニメも既に4年目を終えたが、雨宮天のコメディエンヌっぷりは素晴らしいものがあると熟思う。8点

 

池袋ウエストゲートパーク

浅田彰が「アーバン・トライバリズム」と評した部族的な若者の生態は何処へ消えたのか。個々のエピソードはインパクトが薄く、社会的なテーマを表面的になぞったふりをする底の浅いオタク啓蒙アニメでしかない。これをあの「池袋ウエストゲートパーク」だと認めることは困難だ。諸星すみれの義妹は良かった。3点

 

A3!

秋組は真っ当に面白い成長群像劇だった。対して冬組は、ホモアニメだった。8点

 

炎炎の消防隊2期

1期に引き続き少年漫画の王道を力強い映像で描き出すスタイルには童心に帰ったかの様な愉悦を味わう事が出来たが、其の最大の美点にして難点である処はやはり物語が王道であること、少年漫画という制度を愚直なまでに肯定する其の姿勢であるが、其の制度的枠組みに対して敢えて盲目的な安住を決め込むかのような態度は、恐らく意図的且つ作為的なものであろうし、若しかすると作者の掌の上で私達は踊らされているに過ぎず、原作のストックや最終回の引きからほとんど発表を待つまでもなく確実であろう来るべき続編において、その真意を確認する他ない。7点

 

いわかける

当初は失敗したエロ枠程度の認識であったが、回を重ねるごとに愚直ながらも王道の展開が繰り広げられ、安心して視聴できた。キャラが多く、終盤の展開ががやや駆け足に感じたこともあり、アニメとして原作のポテンシャルを存分に活かせたのかは確かに疑問が残るが、懸念材料であったクライミングシーンの描写は向上し続ける一方であったし、全体としては其処其処纏っていたように思う。6点

 

エタニティ 深夜の

1話と2話と6話は面白かったと記憶している。それ以外はダメすぎ。金持ちイケメンにレ○プされることが女性の夢なのか??

 

おちこぼれフルーツタルト

視聴者の予想を斜め上から越えてくる展開で視聴者の深層に潜む無意識の願望、すなわちエロスを見事に物象化し提示する素晴らしき表現のオンパレード。天才的な神業と言って過言ではないだろう。声・容姿ともに愛らしいキャラクターは本当に魅力的だったし、楽曲も楽しいものばかりだった。底辺アイドルかくあるべし。エロスの唯物論的肯定がここにある。川口敬一郎の最大級の賛辞を!10点

 

大人にゃ恋のしかたは

僧侶枠。

 

かえるのピクルス

 

 

カードファイト

 

 

神様になった日

麻枝准の脚本自体が、AB!・Charlotteの両作に比して単純な質の面で劣っている事は否定し難い事実としてあるが、その00年代風(あくまでも風である)な作劇様式のみならば、アニメーションとして巧く仕立て上げることは幾分にも可能であったように思うし、これに関してはPAWORKSの能力不足も指摘出来得るように感じる。2点

 

神達に拾われた男

クソが世。1点

 

キミ戦

なろう異世界転生が蔓延る2020年の現代アニメに相応しからぬほど、一貫してラノベアニメの基本を徹底的に実戦していた。つまり浅薄で、面白くはなかった。5点

 

ギャルと恐竜

これはアニメではない。あーげあーげあげあげみざわー。0点

 

クソゲーって言うな!

このアニメはクソです。

 

くまクマ熊ベアー

女の顔がそこそこ良かろうとも性格自体が無個性である以上は何も思う処がない。1点

 

ぐらぶるっ!

キャラも可愛いし、話もいい感じにはっちゃけていてそれなりに楽しかった。6点

 

グレートプレデンター

1クール目は全体的に既視感のある内容であった雖然、それはすべて布石だったのだと思い知らされた2クール目だった。1クール目で敢えてローランたちの戦術を視聴者に晒し、2クール目のオチを半分視聴者に予想させた上で、そのオチに至る過程の緊張感を維持する手法、すなわち、ゴールをある程度明確にすることでゴール迄の距離だけでなく、ゴールそのものの成立過程に迄意識を及ばせる事に成功している。相当に高い水準の脚本術が無ければ達成出来ない構成の妙である。声優の演技や作画の芝居も無駄なく丁寧に脚本に寄り添い、作品の魅力を底上げしている。また1クール目でキャラを確乎と掘り下げたことで、個々のキャラが持つ因縁や細かな相互のリアクションにも味わい深さが出て居り、人間ドラマとしても良質な作劇を展開している。作中で詐欺師たちは様々な罠を張り巡らせ、時には味方まで騙して作戦を成功させるが、脚本家の古沢氏は、我々視聴者を1クール目の段階で罠にハメ、まんまと2クール目のカタルシスを創出せしめている。bravo!!  9点

 

ご注文はうさぎ

受験生なのに家庭の事情で無賃労働を強いられるチノガキに涙が止まらなかった。続編があるならば一人だけ受験に失敗して風俗に身を落としたチノガキがおじさんたちにまわされる展開が見たい。

 

ゴールデンカムイ

非常にウェルメイドな和製西部劇だった。緊迫感に満ちた戦闘シーン、金塊をめぐる高度な権謀術数、爆笑必至の道化芝居等々、緩急を自在に操る凄まじい作劇には驚くほかない。喜劇と悲劇の狭間を縦横無尽に駆け抜ける狂人たちの宴を存分に堪能させてもらった。

 

シルバニアファミリー

キャラは可愛い。

 

ストライクウィッチーズRoad to Berlin 

視聴者が望んでいたストライクウィッチーズを高水準で提供していると思った。某は若人なので年月の重みを実感できなかったことだけが無念。9点

 

戦翼のシグルリ

美少女大好きミリオタの醜悪思想垂れ流しアニメ。男は黙って美少女に看取られ英霊となるべし()。2点

 

ゾイドワイルドZERO

 

それだけがネック

現代のコミュニケーション齟齬について考えさせられた、わけないだろ。

 

体操ザムライ

荒垣玲が可愛い、全てはこの点に尽きる。体操という競技の描写も不十分であるし、アスリートや保護者としての自覚に著しく欠ける主人公アラガキの幼稚性は擁護の仕様がない。またレイチェルは確かに可愛いのだが、此親と家庭環境の前では寧ろ不憫極まりなく、可哀想で抜け無いという感情が真っ先に脳裏をよぎった。2点

 

耐え子の日常

 

ダンまち3期

詰らぬ。ベル君なるキャラ、メンヘラ女さん並みに承認欲求が強過ぎる。英雄は理念では無くあくまでも結果論である。また水瀬いのり演じるヘスティア様が唯一の長所であろうに、全く登場しないのも従来のファンは置いてきぼりにされるのではないか。この程度の作品が世界で1200万部も売れ、アニメ化されてしまう事実に、私は心の底から震えが止まりません。1点

 

ツキウタ2期

これは若しかすると私の認識が間違っているのかと訝しむほどに、動き・語りの両者においてアイドルアニメの文法を無視し、根本的なクオリティにおいてもテレビアニメの底辺をナメクジの様に這いずり回る無様にも劣悪な作品であった。私は今作の為に態々4年前の1期も回収したが、本当に何故今になって2期を、それもただでさえ酷かった1期を下回る質で我々の目の前に提出する気になったのか、甚だ疑問である。0点

 

D4DJ 

面白かったと思う。日本の3DCGの技術力。

 

どうしても干支にはいりたい2

 

トニカクカワイイ  

そもそも作画しょぼいからキャラ可愛くないよね。若しかしてナサくんのオチンポはカワイイのかな?司とかいう可愛くない女は、ナサくんのカワイイオチンポを咥えて楽しんでいるのだろうか?2点

 

土下座で頼んでみた

全体としてエッチで楽しかったけど、やはり最終回のヤンデレ妹が最高すぎる。ああいうキャラ大好き。これのせいで無職転生が土下座2期って言われてるの笑う。9点

 

忍者コレクション

抑の怪異自体が全く怖くないのに、それすら最後には忍者が適当に出てきて解決すると分かっているのであれば、平凡未満の紙芝居に過ぎない。1点

 

ノブレス

最初はトンチキギャグアニメかと思っていたが、過去編あたりから様子が変わり、それなりに真っ当なアニメに化けてしまった。7点

 

ハイキュー

本当に面白かった。今作で1期から着実に積み上げられて来た日向の成長が終盤で一気に頂点に達する圧巻の作劇、まさにto the topだ。日向以外のメンバーにも、全員に見せ場があり、成長を感じさせられる。そして何といっても敵チームである稲荷崎の、烏野にも負けない魅力。宮兄弟の圧倒的な強キャラ感は常に試合の緊張感を最大限に高めていたし、他のメンバーも強かった。特に北信介、私は彼を今作のMVPに推したい。彼の存在が稲荷崎とその試合に与えた奥行きの深さは、計り知れぬ物がある。10点

 

バンドリ

 

ヒプノシスマイク

キャラがラップをする姿を見せるため丈に構築されたであろう杜撰なプロット自体には何も言うまいが、ラップバトル自体も言葉遊びのチョイス等々が興味深い一方でターン制バトルによる冗長な展開や不明確な勝敗の付き方には幾らか疑問を挟む気持ちは無きにしも非ず。6点

 

秘密結社鷹の爪

最高に面白い。与えられた尺を的確に使い熟した安定の爆笑スプラッタギャグに、風刺の効いた題材とサブキャラの恋愛模様等の目新しい展開もあり、シリーズの地力を感じさせる充実した内容だった。9点

 

 

100万の命

私はこの1点を、最終回の諸星すみれに捧げます。彼女の力を以ってしても、この作品は精々1点しか与えることの出来ない、低俗で下劣で、擁護しようの無い出来だった。現代の小中学生はこのような酷薄なリアリズムに現実味を覚えてしまう程、世界に失望しているのだろうか、とても悲しい気持ちになる。1点

 

別冊オリンピア

文化の違いをテーマにしたシュールなギャグが純粋に面白かった。卑陋な国策と成り果てた現代のオリンピックに対するアイロニーが感じられるのも良かった。9点

 

まえせつ

巫山戯るな。0点

 

魔王城でおやすみ

ネタが尽きないことも驚きだったが、それ以上に作品全体を貫くシュールで暖かい独特の空気感が心地好く、山﨑みつえの才能は底知れないと改めて感じた。特に前半は然程出番が多い訳でも無いが、後半になるにつれて強烈な印象を視聴者に植え付けて止ま無いさっきゅんの愛嬌。小澤亜李はこれまでも山﨑みつえ作品に欠かせないキーパーソンとして常に存在感を発揮してきたが、今作でも例に漏れず、素晴らしい演技だった。今期のアニメで一番したい相手はさっきゅん、私の股間を枯らして欲しい。9点

 

まがつ

腹立つけど映像だけはなんか気合入ってるんだよな、面白映像もあるんだけど。肝心の脚本は展開の仕方も下手クソだし設定もアホ臭い、然し色々盛り沢山なので適当視聴してると置いてかれる。マジでなんやねん。

 

魔女の旅旅

イレイナのリョナ展開がなかったからダメ。脚本も常にパクリ臭のする雑なもので原作の弱さを露呈してやまなかった。でもイレイナは最後迄常に可愛かった。結局私は可愛い女の子が出て呉れれば其れで良いのだと思い知った。5点

 

魔法科高校

映像も音楽も真面目にトンチキで楽しかった。終盤に出てきたミナミちゃんは可愛かったから優等生で活躍して欲しい。このアニメ、話は面白くないが女の顔は良い。5点

 

まるまるマヌル

 

無能なナナ

知略サスペンスを謳っても許されたのは2話までだろう。まさかタイトルの字義通り本当に無能だったとは。彼女の無能っぷりには毎週楽しませてもらった。終わり方も中途半端で釈然としないが、ミチルとの絡みが一つの軸であったことを考えれば、割と納得できてしまった。8点

 

メジャーセカンド

 

もっと!まじめにふまじめかいけつゾロリ

 

憂国のモリアーティ

ガバガバすぎてこの作品をミステリと称するには無理がある。プロットは杜撰なこと甚だしいし、犯罪によって革命を起こすという設定は幼稚で、キャラ造形も安直かつオリジナリティに欠ける。仮にも幼少期にシャーロキアンの端くれだった者として一言言わせてもらうならば、シャーロック・ホームズを愚弄するな。

 

ラブライブ! 虹

成長なる美辞麗句に対する一つのアンチテーゼとして6話は特に良かった。

 

レヱル

キャラ可愛いねえつってたら終わった。6点

 

ワンルーム

キャラが可愛い。我も可愛い女の子(2次元)と同棲したいなって思う。全体の構成と〆も美しかった。

 

 

麻倉もも Live 2020 “Agapanthus” 感想

コロナは私に声優に対する感情を失わせた。ライブにもイベントにも通えず、生ける屍のような声優オタクは言葉通り死のうとしていた。最後にライブに行ったのも去年の12月なのでほとんど1年間一切生で声優を見ることもできず、そんな状況では感情が失せたような気になるのもやむなしだと自分でも思う。

TrySailは元々好きだった。特に麻倉ももに関しては本来4月から予定されていた全国ツアーにも申し込んで当選もしていたため非常に楽しみにしていたのだが、コロナにより中止。以降、私のTrySailへの熱は冷めていった。ラジオも聴かなくなり、8月にあった有料配信のスタジオライブやYouTubeの特番も観なかった。今回のライブにも行かないつもりで、ポータルスクエア(トラセのファンクラブのようなもの)の先行申込にも応募しなかった。しかし、仮にも一時期ハマっていたユニットのメンバーである、このままフェードアウトするにはあまりにも悲しいと思い、別枠で申し込んだ。両日当選した。両日行くことにした。

 

11月14日。朝から快晴だった。昼に別件があり早々に家を出た。

別件でかなり満足した状態で会場に向かった。客層は自分と同年代の若いオタクが過半数だったように思う。女性もチラホラといた。いつものトラセライブと同じメンツといった感じだ。席は3階席の端っこ。舞台から一番遠い位置で麻倉の顔はもちろん動きさえもあまり見えず、スクリーン画面もよく分からなかった上に、どうせ叫べないなら要らないかとペンライトを持ってくることもしなかったため、イマイチ盛り上がれなかった。局所的に好きな曲で盛り上がることはできたが、要はその程度で、全体としては終始真顔で見ていた。ちなみに隣の席のオタクも真顔だった。FUCK天空席。

冒頭、「ももです」と映像がスクリーンに映し出される。部屋で手紙を書いている麻倉もも、シンプルに絵になる、可愛い。麻倉が途中で明かしたところによると今回のライブは手紙をテーマにしているらしい。知ってた。手紙書いてる映像流してる時点で知ってた。この映像は以降も合間合間に挿入された。どうやら遠くにいる友人に近況を報告したり、会う約束を綴ったりしているようだ。この友人とはファンの暗喩だろう。これもまた明確である。一緒にライブに行こうね、とまで言っているのだから。仮にこれが彼氏宛などだったらブチギレて天空席から身を投げている。

曲に関して。まず最初のAgapanthusで声を詰まらせた場面が印象的だった。本人曰く泣きそうになったとのこと。コロナ禍の現状、特に一度は中止となり、また感染者数増大のニュースが巷を賑わせている中で、本当に人が来てくれるのか、不安に感じていたのも当然だろう。私はあくまでも数字としてしか、定量的な存在としてしか彼女に貢献できない。しかし、それで彼女が報われるなら、私は一ファンであり続けたい、そう思った。

声を出さないからこそ振り付けで会場の一体感を感じさせた「妄想メルヘンガール」や「Shake it up!」、快活でダンスもキレキレな「スマッシュ・ドロップ」、明るく可愛らしい「トキメキ・シンパシー」、スクリーンを活かした演出で魅せた「Twinkle Love」、熱く盛り上がれる「秘密のアフレイド」、これまでのライブで洗練されて安定感のある「明日は君と。」や「Good job!」などなど楽曲の強さを再認する良質なセトリであったが、特筆すべきはやはり年齢を重ねたことによる「大人もちょ」が存分に発揮された「さよなら観覧車」や「今すぐに」であろう。会いたくても会えない恋人、もう会うことのできない恋人、恋愛に伴う「距離」の問題を成熟した感性で歌い上げたこれらの楽曲は、コロナ禍で会うことの叶わなかった我々ファンと麻倉の距離感と同型である。この意図せざる偶然の一致こそ、ライブの醍醐味であり、生きることそのものなのではないか。アンコールで披露された「365×LOVE」の「1年に1度のChance」という歌詞も、会えなかった時間の経過が良い意味で身に染み、なんとも言えない味わいであった。家で聴いている分には普通の恋の歌が、ライブで歌うとファンとの関係性を含意した楽曲に化ける事実、これは麻倉ももの強みの一つだろう。

 

11月15日。この日も朝から快晴。前日の疲れが溜まっていたわりにすんなりと目が覚めた。流石にペンライトが無かったのは失敗だったと思い、今回は早めに行って物販で購入した。自分の過去の経験に照らし合わせても、ペンライトのないライブはイマイチ盛り上がった記憶がないし、逆にペンライト振り回して叫べば席遠くても満足してしまうのが私という人間なのだ。2日目の席も3階席、ただし一番ステージ寄りの席だったので前日よりはよく見えた。

基本的にセトリは前日と似たような感じだったと思う。よって付け加えることはあまりないが、席位置のこともあってダンスもそれなりによく見えたし、同じ曲でも前日より楽しめたことは確かだ。前日のセトリにない曲で披露され印象に残っているのは、「花に赤い糸」だ。サビ前の「あ〜あ〜」と心の底から叫ぶようなフレーズ。あの細かな心情表現は麻倉の真骨頂だと思うが、リリースから3年以上を経て、より磨きのかかった歌唱には流石に唸らされた。

さらにアンコール「No Distance」披露からの、「Social Distance だけど心は No Distance だよ」で発狂。やはり麻倉の楽曲全般に通底するテーマは「距離」なのだと改めて納得したし、今回のライブではそれがかなり明確に示されていたように思う。天晴な演出である。

2日目は1日目とは段違いに楽しめた。2日目の記憶で1日目の中途半端な気持ちがすでに上書きされているほどだ(だから真顔だったとか言いつつ感想には熱が入っている)。これは席位置やペンライトの有無などの外部的要因が主なものだと思うが(「ポータルスクエア会員先行申込でなるだけ良席確保の可能性を高めること」と「ペンライトは欠かさず持っていくこと」は個人的な反省点として強く意識しておきたい)、セトリの組み合わせ方など1日目とのパフォーマンス上の変化も見逃せない一因だろう。単日参加者も両日参加者も、どちらも楽しめる考え抜かれた構成だった。

また、ライブの楽しみ方自体を私が忘れてしまっていたことも、1日目を中途半端にしか楽しめなかった要因としてあるだろう。ライブで盛り上がる経験からしばらく遠ざかっていたため、雰囲気やタイミング等々の感覚を思い出すのに苦労したのだと思う。ダラけきった心身を鍛え直す、良いリハビリになった。ライブとは演者のみならず、自分自身とも向き合う体験なのだと再確認した。

 

最後に一つ。1日目も2日目も、アンコール前のトリで披露されたのは、つい先日発売された「僕だけに見える星」である。今回ライブで歌われることでこの歌には二重の意味が込められる。我々ファンからすれば、麻倉ももこそが星である。そして、おそらく麻倉ももからすれば、我々ファンの存在こそがまた星なのだ(サイリウムの光がここで隠喩的な寓意を帯びることは言うまでもない)。

アイドルや芸能人と一般人との距離が短くなったとは、昨今流布する強力な言説であるが、それでも現状、我々ファンと麻倉との距離はそれこそ星と地球ほどの遠さであると言っても過言ではない。しかし、その遠さこそ、その距離こそが、愛おしさを募らせ、想いを深めるのではないだろうか。MCで麻倉が言った、「今年は私にとって当たり前であることが当たり前でなくなってしまった年だった」という発言がここで思い起こされる。我々にとって麻倉ももに会えることが当たり前ではなくなってしまったように、麻倉ももにとっても我々ファンに会えない日々は当たり前ではなかったのだ。「いつものようにそこに君がいる」ことが当たり前ではなくってしまったからこそ、今回のライブは、「いつまでもここに君といたくて」と強く思う、特別な、当たり前ではないものになったのではないか。この曲が特に美しいのは、麻倉と我々との貴い距離感を歌い上げつつも、「思い浮かべればまたいつだって変わらないまま輝くよ」と、「心はNo Distance」であることをもまた表現している点である。再開の悦びと未来へと持続する希望を託したこの楽曲は、今回のライブのテーマに見事に合致しており、トリに歌うに相応しいものだったように思う。

 

総論。またもちょに会いたい。そう思える素晴らしいライブだった。

 

2020年秋アニメ新盤レビュー

にぱー、なのですよ。

 

アイドリッシュセブン Second BEAT! 

1期は17話と中途半端な尺で終わったが、序盤から1期で未回収だった伏線を回収するようで楽しみである。アイドルアニメは人数とそれに伴う描写配分が重要なファクターの一つとなるが、1期で主要7人の説明を十分に行ったことで新キャラとのバランスが取れているのも良い。1期以上にアイドルという職業の倫理を説いているところも興味深い。何よりもマネージャーが相変わらず可愛い。マネージャー、アイドルデビューしてくれないかなぁ。7点

 

ドラゴンズドグマ

ネトフリオリジナルアニメで面白かった試しがない。本作もその例に漏れず。雰囲気的には劣化版ベルセルクであり、物語はありきたりなn番煎じ、ゲームをそのままアニメ化したようで芸がない。

 

ひぐらしのなく頃に

1話を2006年版のアニメに沿って作ることで視聴者をミスリードし、2話から完全新作を思わせる業と題した展開の妙はまさしくひぐらしを思わせる。そして4話で物語は急転直下し、鬼隠し編を完全に鬼騙し編へと変奏された様にはなかなかに驚かされた。戦闘シーンは流石に笑ったけども。2020年に再演するにふさわしい、新たな雛見沢の悲劇を期待したい。7点

 

アクダマドライブ

既視感のあるキャラクターが雑な世界観で派手に動きまくるアニメだと思うが、今のところあまり好みではない。6点

 

安達としまむら

映像がしょっぱい。4点

 

まえせつ

キャラデザが『らき☆すた』であること、すなわち時代に合わぬ古さを帯びていることは置くとして、なんといっても漫才のつまらなさ、ギャグのつまらなさ、クスリとも笑えないあのセンスはどうしたものか。漫才師を目指す動機も不明瞭だし、お笑いに全く真剣に向き合っていない。アニメとオタクだけでなく、漫才ファンをも馬鹿にしきったコンテンツだとしか思えない。ふざけんな。0点

 

A3!

イケメンが友情を深めながら演劇をするというスタンスは変わらずだが、今期ではさらにキャラの掘り下げが洗練されている。演技や舞台への向き合い方など、演劇的なニュアンスも結構大事にされてるようで好印象である。秋組は声太い人が多いことも個人的にポイント高いし、特に左京さんがめちゃくちゃイケメン、後悔を吐き出すポートレイトのシーンは感動的だった。モノローグが自己との対話を超えて観客との対話に昇華する様は演劇の一つの見所だろう。大石のOPは相変わらずTHE大石という趣で完璧。7点

 

神様になった日

1話からつまらない弾丸ギャグのオンパレードには流石に辟易とした。1話で本当に1週間経っているのかと疑問に思うほど1話あたりの内容が薄い。また中盤以降妙にシリアスな展開になるのかと考えると、真顔になる。4点

 

ご注文はうさぎですか?BLOOM

私はその作品のファンというわけでもなく、したがって難民生活を送っていたわけでもありませんが、それでも女の子が真っ当にイチャイチャしている姿は眼福と言うほかなく、安定感のある作品だという印象を強くした。ココアとチノのレズS〇Xはよ。8点

 

魔法科高校の劣等生 来訪者編

はよ近親相姦してくれ。3点

 

魔女の旅旅

イレイナ顔面派。リョナ展開待ってます。5点

 

トニカクカワイイ

まずこのような題名をつけて恥ずかしくないのかと作者に問いただしたくなるくらいヒロインが可愛くない上に主人公の男性も不快であるし、サブキャラも全く可愛くないし、本当に貴殿はあのヒナギクを産み落とした人物と同一なのかとこれまた作者に問いただしたくなるレベルである。そして根本的な女性差別的視点が随所から感じ取れる点が非常に不愉快だ。夫を旦那様と呼びかしずく司の姿は時代錯誤も甚だしい。これから夫婦の関係性の掘り下げ(そんな大層なものになるかは置くとして)が進むのだろうが、いくらヒロインの心理描写を積み重ねようとその点は正当化不可能だろう。品性のとことん欠如した作品である。0点

 

呪術廻戦

流石のジャンプクオリティ。シナリオは王道だし、作画も演出もキマッててかなり完成度高い。2クールあるようなので正統派な物語を期待したい。OPのカッコよさ。8点

 

キングスレイド

テンプレRPGゲームを工夫なくそのままアニメ化したような雑さを感じる。キャラがそこそこ可愛いのはポイント高い。2点

 

ハイキュー!! to the top 2ndクール

当然のように話は盛り上がっている。これまでの積み重ねがあちらこちらで効きまくっていて、これで面白くならないはずがない。田中の回は泣いた。今のところ谷地仁花が登場していないのが唯一の難点、それ以外は文句ない。

 

レヱル・ロマネスク

女の子可愛い。それ以外に言うこと特にない。6点

 

ダンまち3期

1期も2期も3期もずっとオタク君の妄想見せられて不愉快。そんなにオタク君は水瀬いのりにヨシヨシされたいんですか。1点

 

ヒプノシスマイク

ノリは嫌いじゃないけどちょっとくどい気もする。ラップ自体はよくわからないけど結構楽しいと思う。5点

 

100万の命の上に俺は立っている

つまらない。すべてが不快。0点

 

戦翼のシグルドリーヴァ

キャラそんな刺さらないし、話つまんないし、今期RtBあるのにわざわざこれやってもなぁという感じ。3点

 

ラブライブ! 虹ヶ咲スクールアイドル同好会

大会で優勝すると公式記録に半永久的にその勝利が保存される、すなわち「歴史化」されるわけだが、そのような「一般史」に逆らうことこそ本作の主題だろう。これはヴォルター・ベンヤミンが「歴史の概念について」で語ったところの、「支配者たちの凱旋行列」を拒否する姿勢と等価であり、純化された「一般史」絡め取られることのない、個人の生き様をこの作品は描こうとしている。8点

 

犬と猫どっちも飼ってると毎日楽しい

虚無。花澤香菜可愛いね。2点

 

土下座で頼んでみた

天才。杉田智和のネタキャラとしての存在感の強さが際立つ。9点

 

体操ザムライ

スポーツアニメとしては微妙。忍者の存在意義が今のところよく分からず異物に思えるし、主人公の性格もリアリティがなく、全体として粗のある脚本だなと思う。しかしとにかく娘ちゃんが可愛い。娘ちゃんが出てくるだけで笑顔になるし、それが視聴理由の大半を占めている。本泉莉奈最高。6点

 

ふしぎ駄菓子屋銭天堂

時々迷々のアニメ版的な印象を受ける。NHKだなぁ。4点

 

おちこぼれフルーツタルト

はぁ〜サイコウ〜。もうとにかくキャラが可愛い。みんな可愛い。フルーツタルトの5人は当然可愛いしマネージャーも可愛いし他社のプロデューサーも可愛い。これが真のトニカクカワイイ。実質アクションヒロインチアフルーツ。戦隊の真似し始めた時は興奮して叫んでた。女の子をフルーツに喩えるのマージで好き、大好き、性癖ドストライク。3話のライブシーンは丁寧な作画から繰り広げられる動きと止め絵の調和が美しかったし、完璧!!ってテレビの前で発狂して叫び倒していた。所々、否、全体的にエッチなのも非常にポイント高い。OPもEDも映像音楽ともに素晴らしい。はぁ〜良いアニメだねえ〜。10点

 

無能なナナ

大久保瑠美ヒロイン超可愛い。CMで「無能なナナ」って言う声がマージで可愛くて好ましい。こういう頭脳バトル系の作品は好きだし枠としても希少だから頑張って欲しいのだが、それにしても杜撰な面が目立つ。最初の1、2話はどんでん返しもあってそれなりに頭脳戦してるように思えて楽しめたが、3話以降は主人公の頭の悪さ、すなわち無能さが顕著になり、これではただのギャグアニメではないかと思ってしまう。能力者を島に隔離し、わざわざ女子高生一人を送り込んで一体一体能力者を始末して行くという設定も不可解だ。6点

 

ゴールデンカムイ3期

原作の空気感を結構丁寧に拾ってる。特に声優の演技はめちゃくちゃハマっていて、キャラがすごく立体的になっている。ギャグパートの出来栄えは秀逸。日本を舞台にしながらここまで良質な「西部劇」を描き出せることを証明してみせた制作陣の力技は圧巻だし、原作漫画でもここから更に盛り上がっていくので物語的にも期待したい。9点

 

おそ松さん3期

30分に1、2回は笑ってる気がする。そんなもん。1点

 

One Room サードシーズン

最初は富田美憂の声苦手だなぁってなったけど割とすぐに慣れた。最後の方言にはまいったね。5点

 

魔王城でおやすみ

水瀬いのりのオタクなら快眠導入剤として最適なのだろうが私は水瀬いのりのオタクではないし何よりこのアニメを観て眠くなったことが今のところないので睡眠導入剤としては全く使えない。でも要所要所のギャグやシュールな演出でクスクス笑ってしまう自分がいるし、より良き睡眠を求めて囚われの姫が魔王城を散策するというシンプルな設定で、よくここまで色々と話を考えつくものだと感心するしかない。作画は安定しているし、スヤリス姫はキャラデザ・声ともに極めて可愛い。個人的に山﨑みつえ×中村能子コンビは野崎くんと多田恋で大信用しているのだが、相変わらずこの人たちのギャグセンスや映像感覚と自分は相性良いんだなって再確認できた。雰囲気はどことなく入間くんに似ているし、やはり山﨑みつえの作風は名匠森脇真琴にどこか通ずるところがあるのだと思う。したがって動画工房は早く山﨑監督に4クール朝夕アニメを任せた方が良い。なんなら今作が万人受けする幼児性を内包しているのもそのための試金石に思えるくらいだ。

あとはOPがめっちゃ良い。ノンレム睡眠レム睡眠ノンレム睡眠レム睡眠スヤー。睡眠導入剤として使えないとか言ったけど結局寝てる気がする。8点

 

ヴァールハイト

OPカッコいい。説明的なセリフをなるだけ排して映像で見せようとしてるのは結構ポイント高い。よくあるソシャゲ原作のダメアニメかと思ったけど意外と期待できそう。6点

 

くまクマ熊ベアー

主人公が可愛くない。主人公の顔も声も性格も、主人公の歌うEDも全部可愛くない。少女異世界転生俺TUEEEで女の子が可愛くなかったらおしまいですよ、何を見ろというのか、防振りを見習ってくれ。1点

 

それだけがネック

よくわからない。ホラーなのかな、かな?1点

 

ぐらぶるっ!

ショートアニメとして可愛さと面白さの両立がちゃんとできてる印象。6点

 

池袋ウエストゲートパーク

原作小説未読、2000年のドラマ版を観てる程度の事前知識でこのアニメに向き合っているが、たとえばドラマ版で見られたような陰惨な世紀末的空気感をブクロの生き急ぐ若者たちに重なるような演出は本作にはない。対照的に本作はどこか爽やかだ。それが時代的な背景によるのか、原作のアレンジ度合いによるのか、原作を読んでいないので判断はつかないが、今のところ言えるのは、ミステリもアクションも1話完結でやや雑な印象を受けるということである。5点

 

ドラゴンクエストダイの大冒険(2020)

宮本絵美子のキャラデザ好きなので視聴義務発生。原作の尺的に多分最低4クールはやりそうだし、まだ序盤なので内容的に面白いところは特になし。5点

 

ギャルと恐竜

意味不明。というかこれはアニメではない。0点

 

第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズRoad to Berlin 

安心安定の面白さ。エーリカ・ハルトマン。9点

 

いわかける!

見せ方はエロそうにしてるのにキャラがエロくないからエロ枠として失格だし、キャラに魅力もない上にストーリーも面白くないから全然ダメ。4点

 

神達に拾われた男

何をやっても褒められるショタになりたい。と思ってる人が世の中に多いなら悲しい。と思う。1点

 

ノブレス

OPの歌い方で笑わせてくるのは流石に反則だろう。色々と噛み合ってない気がするが、そこがまた笑える。2点

 

エタニティ

純粋に構成が綺麗な話があれば展開で笑える話、さらには単に性欲を具現化しただけの話もあり、バラエティ豊かな大人の恋愛を見せられてる感じがする。8点

 

憂国のモリアーティ

原作2巻まで読んだことあるがつまらなかった。実際、まだ序盤だから明確なことは言えないが、ミステリとしてはやや弱い印象は拭えない。少年モリアーティは完全にヨハン・リーベルトで笑うし、キャラの設定や行動が異常で背景の説明もないまま進むため疑義は不可避的に生じる。しかし、雰囲気はある。社会学者の内田隆三は、探偵小説を近代社会の産物と説明し、社会的に逸脱した立場から規律の撹乱者を取り締まることで共同体の安定を図ること者を探偵と定義しているが、その観点から考えるならばモリアーティが犯罪による革命を試みる構図はまさにアンチ探偵小説にふさわしいと言えるのかもしれない。個人的に野村和也は監督として高く評価してるので、張って欲しいところ。7点

 

アサルトリリィ

主人公がレイジングハートサンライズ立ちする姿でもう笑顔になる。太もも、おっぱい、キャラの身体つきがエロく、露骨に百合を強調するスタイルには口元が緩む。7点

 

キミ戦

シナリオも映像も何もかもアホくさい。こんなコテコテラノベアニメをよく2020年にやろうと思ったもんだ。3点

 

鷹の爪

毎週爆笑してる。子供の頃からずっと好きだったので相変わらず期待に応えてくれる安定の作風には感謝しかない。良質な笑いの提供者。9点

 

D4DJ

YouTubeの先行配信で1話のみ視聴。こういう系統のアニメにはありがちなことだろうが、それにしても主人公が多動すぎて鬱陶しい。バンドリとの違いもまだよくわからない。5点

 

兄に付ける薬はない4

毎回ケラケラ笑いながら観てる。安定感ある。8点

 

最響カミズモード!

まず言葉遊びが好きなので神相撲と紙相撲をかけたタイトルが結構好ましい。物語はテンポ良く進む上に、カミズモウのシンプルなロボットアクションも映像的に楽しい。子供の頃に観てたらハマっていたかも。8点

 

ツキウタ THE ANIMATION2

今期は他の男性アイドルアニメが強いから、相対的にちょっと弱い。3点

 

テイルズオブクレストリア

ソシャゲをプレイしてもらうための長いPVといった感じで、内容面ではかなり駆け足で消化不良な印象を受ける。テレビアニメはやらないんですかね。4点

2020年夏アニメ終盤レビュー

オススメアニメ映画『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』

 

うまよん

ショートアニメとしてはまぁそれなりの面白さなのかなと思ったけどウマ娘のキャラ全然把握できてないし実際どれだけの視聴者がウマ娘のキャラを把握した上で観てるのかと考えるとなかなかに疑問の余地があるのかなと思ったりする。6点

 

ジビエート

酷すぎる。最後まで脚本も映像も支離滅裂で笑うしかない。どうやったらこんな無茶苦茶なアニメを作れるのか。「何がしたかったのだ」はこっちのセリフだよ。2点


ラピスリライツ

キャラはとても可愛いし曲もそれなりに強いし作画も安定してて非常に観やすかった、というのもティアラの顔面でシコシコして最高〜って叫んでるうちに視聴がいつのまにか終わってるからなのだが、しかしこれはその反動で賢者タイムが非常に虚無になる作品でもあり、その虚無虚無賢者タイムに拍車をかけるのが脚本の杜撰さであり、つまり視聴してる間は下半身がビンビンに反応して快楽に溺れていられるのだが一度賢者タイムが訪れるともうストーリーの粗が次々に思い出されて、なんとも言えない気分になってしまう作品であった。7点

 


富豪刑事

なんともつまらない作品だった。刑事サスペンスとして脚本・演出ともに優れてるとはお世辞にも言えないし、その平凡以下の内容に声優陣の比較的真っ当な演技が重なるといよいよ滑稽の度合いを増して目も当てられない。4点

 


リゼロ

これは分割2クールの1クール目である以上現時点で軽率に何点と数値化した判断を下すのは早計のように思われますが、敢えて現時点の評価を述べるのであれば、まず作画の安定は流石の人気作ヒット作にふさわしいものに思えましたし、毎話の引きも続きが気になる構成で毎週安定して楽しむことができたと思い、特にこれは新盤レビューでも書きましたが4話を私は好んでおりまして、確かにそれまで存在が仄めかされることさえなかった両親の登場は唐突でありましたが、主人公スバルは「死に戻り」を積極的に実行しないことを最後に決断して終わります。4話において彼が真の意味で求めていた「やり直し」を達成したことも、この決断の後押しになったのではないかと推測するのは私の想像力の飛翔のみによるものではありますまい。7点

 


デカダンス

システム論的な観点においてはあるシステムを動かす上で変化の発生、より具体的に言えばバグの発生は必然であるというのはもはや自明の理でありますが、今作でのバグもそのような大局的視点からアイデンティティを与えられます、とはいえそのような見方がありふれていることはさておくとしても、その見方を提示する物語展開はやはり平凡であると思いますし、カートゥーン的な絵と深夜アニメ的な絵とのギャップも後半にはほとんど見飽きてしまい、またカートゥーン的な絵が一種の興醒めを誘うように思えることも少なくなかったであります。5点


魔王学院

ギャグアニメとして割り切って観れば観れないこともない作品ではあったが、これもやはり面白いものとは到底言えない代物で、薄寒い笑みを浮かべる反面内心酷く退屈するような作品であった。3点


天晴爛漫

序盤で提示したカーレースは何処へやら、単なる西部劇、それも面白くない西部劇に後半以降成り下がった本作であるが、まず思うのは単純にガンアクションやチャンバラを描きたいのであればカーレースは余分であり、そもそも最初から西部劇をすればよかったのではないかということであり、次にそのアクションパートも敵役の行動原理がよく見えない上に最後は主人公たちでなく強い助っ人に(この助っ人もすでに敵役に圧倒されているにも拘らず)倒してもらうというのも中途半端に思えたし、そして何よりP.A.WORKSはこのようなつまらないアニメを作る時間と金で我らが岡田麿里先生に脚本を依頼してアニメ制作を行うべきである。3点

 

GREAT PRETENDER 

古沢良太氏はテレビドラマ脚本で名を馳せる人物であり、わざわざ代表作を挙げずともその作風が突破なギャグや謎解き・どんでん返しを中心をするクライム物であることは言を俟ちませんし、今作がその作風にピタリと一致するものであることも自明なのですが、今回は単純にその脚本がシンプルに平凡であるということに尽きると思います、というのも次の展開は容易に予想がつきますし、それを王道と言えば聞こえはいいですが私の目には凡庸と映りましたので、それが批判点のすべてであります。

 

フルーツバスケット

非常に素晴らしかった。一視聴者が安易に言葉を発することが無粋なまでに面白かった。原作漫画の持つ物語の強度故なのだろうが、大仰な映像や音楽で飾り立てても全く臭く感じられないどころかむしろ素直に感動してしまうのだ。特筆すべきはやはり石見舞菜香演じる本田透の豊かな人間性であり、彼女と触れ合うことで個々のキャラクターが1期を踏まえた成長をそれぞれ見せてくれたのが嬉しかった。特に私の最推しキャラクターであるところの草摩はとりさんなのだが、彼は恋人の記憶を自ら消し去ったというなかなかに悲惨な過去を持っている人物であり、私はその回で号泣したのだが、まぁそれはさておき、その恋人が別の男性と結ばれて結婚に至るエピソードはすでに1期で語られていたため、それをもって彼女と過去からの訣別を明確にすることはできていたのだが、でははとりさん個人のこれからはどのような歩みが可能なのかという点の掘り下げは1期では放置されたままだった。それが今回の2期でははとりさんの新たな恋愛を予期させるエピソード(具体的には12話「俺の代わりに君が泣いた」のことであるが、これサブタイだけでもう泣ける)があり、これに私はひどく感銘を受け、あの辛い思いをしたはとりさんが、その辛い思いを抱えながらも透くんたちを優しく見守ってあげていたはとりさんが、ようやく新しい人生を歩めるかもしれない、これにどれほど視聴者が救われたことか、計り知れないものがあるだろう。文句なしの傑作、最終章となる3期にも大いに期待したい。10点

 

ハクション大魔王2020

最高諸星すみれアニメーション。 10点

 

モンスター娘のお医者さん

エロアニメとして映像・喘ぎ声ともに良質なエロ表現であったし、ストーリーも意外と王道で、医療物語とエロの調和が綺麗な、全体的に好印象な作品だった。8点

 

放課後ていぼう日誌

釣りよりも魚を食べたい、そう思わせるアニメだった。8点。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

まず、本作を典型的なラブコメに堕ちたと批判してる連中がいるがそれは全くの的外れである。本作は何をどう考えても由比ヶ浜結衣の失恋の物語である。八幡と雪乃のイチャコララブコメディなどではない。1期で八幡と距離を縮め、2期でアプローチを試みるも、3期で夢破れる。この展開こそが俺ガイルの核心である。本物?そんなものは犬にでも食わせておけ。八幡本人だって言っているだろう、本物は探し続けるものだと。パラドキシカルな言い方をするならば、本物などと定義できる時点でそれは本物ではないのだ。そのパラドックスに自覚的になることが成長だとも言える。そもそもラブコメには必ず失恋するキャラが現れる。それはラブコメが基本的に三角関係に基づいて主人公が正ヒロインを選択するからである。ラブコメに負けヒロインが伴うことはほとんど不可避の現実であるし、それをどう物語に組み込むかに作者の力量がかかっていると言って過言ではない。典型的なラブコメは、負けヒロインの描写よりも正ヒロインとのイチャイチャを重視する。それがオタクの妄想に合致するからである。せいぜい主人公は振った女のことなど忘れて性欲に走ればよい、貴様はまだガキなのだから、それがお似合いである。その陰に隠れた負けヒロインこそが妄想からズレた現実の体現者であり、名作を生む条件である。ラブコメアニメの金字塔として『とらドラ!』という作品があるが、これが名作たる所以も負けヒロインの描写力が徹底しているからである。正ヒロインと結ばれることと等しい次元で、なんならより深い視点で、負けヒロインの失恋を描くことが優れたラブコメの極意である。本作にも同様のことが言えて、4話で八幡が由比ヶ浜のもとを去った後の由比ヶ浜のモノローグは涙なしでは見れないし、そこからのED「ダイヤモンドの純度~Yui Ballade~」で発狂、さらに最終回のラスト、奉仕部の部室に由比ヶ浜が依頼に来るシーンで再発狂、観了した時は理性を維持できる精神状態をとうに越えていた。東山奈央の演技力ヤバイよ。「でも、これからもずっと仲良くしたいの。どうしたらいいかな?」この由比ヶ浜の、図々しいとも受け取られかねない言葉の裏に、どれほどの覚悟と意志が込められているか、想像するだけで正気を保ってはいられない。それはあたかも『凪の明日から』最終回において、美海が「まなか」とヒロインの名を呼び捨てにするシーンを想起させる。失恋によって人間関係の三角形は崩壊するように思えるが、実際はそんな単純なことではなく、その関係性は歪に持続するほかないのだ。だからこそ、負けヒロインは正ヒロインに対し、負い目を感じることなく、正々堂々と向き合うべきなのである。由比ヶ浜の目からは、確かにその決意を感じ取れる。彼女の望む、ずっと続く日常に思いを馳せて。我らが負けヒロイン、由比ヶ浜結衣に幸あれ!10点

聖地巡礼(竹原編)

どうも、ワンダです。

 

私が愛してやまないアニメの一つに『たまゆら』がある。

舞台は広島県竹原市

前々から行きたいと思っていたが、タイミングがなくて行けず。ということで、夏休みを利用して今回行ってくることにした。

 

9月某日、竹原駅に着くなり目に入るのがこの「おかえりなさい」の文字列である。これは『たまゆら』内でも印象的に用いられているため、実際に目にした瞬間は感動を禁じ得なかった。

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聖地とは、本来特定の宗教における本山を指す。つまり人が生まれ、帰る場所が聖地である。その意味でこの文字列は聖地竹原にふさわしい。

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駅のすぐそばにある観光案内所にはこのような絵が掲げられている。

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多少古ぼけてはいるが、それが『たまゆら』が竹原にとって重要な作品であることを物語っている。

 

荷物をホテルに預け、市内を散策した。

たまゆら』を特徴付けるのはその古風な町並みである。実際に訪れたことがなかったにも拘らず、どこか見慣れた風景である。

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この石畳を歩くと、自分がぽってたちと同じ空間にいるような感覚を覚える。

 

テレビシリーズ1期『hitotose』OP冒頭の階段である。運動不足のせいか、実際に登るとなかなか疲れた。

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寺の中には見慣れた建築が並ぶ。ぽってたちの遊び場の一つである。

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こちらも同じくOPにも出てくる、ファンにはお馴染み、ぽってが写真の現像に来る写真館である。もうすでに写真館としては廃業しているようだ。

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ぽってたちが「わたしたち展」を開催した場所である。実際には旧笠井邸と呼ばれており、内部には『たまゆら』関連の展示の他、竹原名物である製塩についての展示がある。

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「cafeたまゆら」のモデルとなったお店である。タイミングが合わず来店することは叶わなかったが、外観からでもその雰囲気は十分に伝わる。

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こちらは「ほぼろ」のモデルとなったお店である。ぽってたちが放課後の飲食や待ち合わせなどによく使っていた。

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このかかえ地蔵はアニメ内でも時たま登場する。作中では、竹原を訪れたちひろが軽々と持ち上げるシーンがあるが、実際に抱えてみるとなかなかの重量であり、容姿に似合わずちひろは案外剛腕なのだと思った。

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作中で頻繁にぽってたちが通る商店街にも行った。こちらも聖地にはお馴染みの光景である。

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作品のマスコットキャラクター的な存在であるももねこ様の石像を発見。町を歩いていたら偶然遭遇するのがももねこ様の特徴であるが、この遭遇も全くの偶然であり、ぽってたちの感覚を追体験したような気分になった。お祈りした。

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とある寿司店ではサインを見つけた。ご主人に話を伺ったところ、長期シリーズなだけあり、毎年のように竹原を訪れる年単位の常連客もいるそうだ。私のように2020年に初めて訪れる人はだいぶ珍しがられた。

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町の中心から少し離れると、畑や川が広がる。これは『hitotose』OPの最後に映る賀茂川下流である。天気のせいもあり、流石にアニメ映像のように空が眩しいくらいに水面に反射することはなかったが、それでもこの奥行き感はまさにアニメで観たものに一致する。

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たまゆら』という作品の持つ温もり、それは古き良き原風景が我々を一般的な懐古に導くことによるものだけではない。竹原の古き町並みはぽっての父の表象である。

竹原は小さな町である。私は自転車を借りて移動に用いていたが、自転車を使えば基本的な場所はほとんど回りきることができた。その町の小ささこそ、ぽってを十全に包み込むものであると同時に、ぽってが『卒業写真』において上京について悩むことを理解できるほどに、若者にとっては狭苦しく感じる所以にもなっている。これはすなわち父の両義性である。父親は庇護者として頼りになる一方で、その権力からの逸脱を若者は望むが、それでもたまには帰ってきて「おかえりなさい」の言葉を聞きたくなる。この感覚は町を自身の足で歩いてみることで掴み取れる種類のものだ。聖地巡礼の面白さとは、キャラクターたちが過ごした(とされる)町を実際に肌で感じることで、キャラクターたちの行動や感情をよりリアルに受け止め、また映像表現に潜む演出の意味を深く理解することにあると私は考える。聖地に訪問して行うべきはアニメを観ることである。聖地はアニメを観たから行くのではない、アニメを観るために、アニメをより深く理解するために行くのだ。つまり私が今やるべきことは、『たまゆら』を観ることである。