2020年夏アニメ終盤レビュー

オススメアニメ映画『新しい街 ヴィル・ヌーヴ』

 

うまよん

ショートアニメとしてはまぁそれなりの面白さなのかなと思ったけどウマ娘のキャラ全然把握できてないし実際どれだけの視聴者がウマ娘のキャラを把握した上で観てるのかと考えるとなかなかに疑問の余地があるのかなと思ったりする。6点

 

ジビエート

酷すぎる。最後まで脚本も映像も支離滅裂で笑うしかない。どうやったらこんな無茶苦茶なアニメを作れるのか。「何がしたかったのだ」はこっちのセリフだよ。2点


ラピスリライツ

キャラはとても可愛いし曲もそれなりに強いし作画も安定してて非常に観やすかった、というのもティアラの顔面でシコシコして最高〜って叫んでるうちに視聴がいつのまにか終わってるからなのだが、しかしこれはその反動で賢者タイムが非常に虚無になる作品でもあり、その虚無虚無賢者タイムに拍車をかけるのが脚本の杜撰さであり、つまり視聴してる間は下半身がビンビンに反応して快楽に溺れていられるのだが一度賢者タイムが訪れるともうストーリーの粗が次々に思い出されて、なんとも言えない気分になってしまう作品であった。7点

 


富豪刑事

なんともつまらない作品だった。刑事サスペンスとして脚本・演出ともに優れてるとはお世辞にも言えないし、その平凡以下の内容に声優陣の比較的真っ当な演技が重なるといよいよ滑稽の度合いを増して目も当てられない。4点

 


リゼロ

これは分割2クールの1クール目である以上現時点で軽率に何点と数値化した判断を下すのは早計のように思われますが、敢えて現時点の評価を述べるのであれば、まず作画の安定は流石の人気作ヒット作にふさわしいものに思えましたし、毎話の引きも続きが気になる構成で毎週安定して楽しむことができたと思い、特にこれは新盤レビューでも書きましたが4話を私は好んでおりまして、確かにそれまで存在が仄めかされることさえなかった両親の登場は唐突でありましたが、主人公スバルは「死に戻り」を積極的に実行しないことを最後に決断して終わります。4話において彼が真の意味で求めていた「やり直し」を達成したことも、この決断の後押しになったのではないかと推測するのは私の想像力の飛翔のみによるものではありますまい。7点

 


デカダンス

システム論的な観点においてはあるシステムを動かす上で変化の発生、より具体的に言えばバグの発生は必然であるというのはもはや自明の理でありますが、今作でのバグもそのような大局的視点からアイデンティティを与えられます、とはいえそのような見方がありふれていることはさておくとしても、その見方を提示する物語展開はやはり平凡であると思いますし、カートゥーン的な絵と深夜アニメ的な絵とのギャップも後半にはほとんど見飽きてしまい、またカートゥーン的な絵が一種の興醒めを誘うように思えることも少なくなかったであります。5点


魔王学院

ギャグアニメとして割り切って観れば観れないこともない作品ではあったが、これもやはり面白いものとは到底言えない代物で、薄寒い笑みを浮かべる反面内心酷く退屈するような作品であった。3点


天晴爛漫

序盤で提示したカーレースは何処へやら、単なる西部劇、それも面白くない西部劇に後半以降成り下がった本作であるが、まず思うのは単純にガンアクションやチャンバラを描きたいのであればカーレースは余分であり、そもそも最初から西部劇をすればよかったのではないかということであり、次にそのアクションパートも敵役の行動原理がよく見えない上に最後は主人公たちでなく強い助っ人に(この助っ人もすでに敵役に圧倒されているにも拘らず)倒してもらうというのも中途半端に思えたし、そして何よりP.A.WORKSはこのようなつまらないアニメを作る時間と金で我らが岡田麿里先生に脚本を依頼してアニメ制作を行うべきである。3点

 

GREAT PRETENDER 

古沢良太氏はテレビドラマ脚本で名を馳せる人物であり、わざわざ代表作を挙げずともその作風が突破なギャグや謎解き・どんでん返しを中心をするクライム物であることは言を俟ちませんし、今作がその作風にピタリと一致するものであることも自明なのですが、今回は単純にその脚本がシンプルに平凡であるということに尽きると思います、というのも次の展開は容易に予想がつきますし、それを王道と言えば聞こえはいいですが私の目には凡庸と映りましたので、それが批判点のすべてであります。

 

フルーツバスケット

非常に素晴らしかった。一視聴者が安易に言葉を発することが無粋なまでに面白かった。原作漫画の持つ物語の強度故なのだろうが、大仰な映像や音楽で飾り立てても全く臭く感じられないどころかむしろ素直に感動してしまうのだ。特筆すべきはやはり石見舞菜香演じる本田透の豊かな人間性であり、彼女と触れ合うことで個々のキャラクターが1期を踏まえた成長をそれぞれ見せてくれたのが嬉しかった。特に私の最推しキャラクターであるところの草摩はとりさんなのだが、彼は恋人の記憶を自ら消し去ったというなかなかに悲惨な過去を持っている人物であり、私はその回で号泣したのだが、まぁそれはさておき、その恋人が別の男性と結ばれて結婚に至るエピソードはすでに1期で語られていたため、それをもって彼女と過去からの訣別を明確にすることはできていたのだが、でははとりさん個人のこれからはどのような歩みが可能なのかという点の掘り下げは1期では放置されたままだった。それが今回の2期でははとりさんの新たな恋愛を予期させるエピソード(具体的には12話「俺の代わりに君が泣いた」のことであるが、これサブタイだけでもう泣ける)があり、これに私はひどく感銘を受け、あの辛い思いをしたはとりさんが、その辛い思いを抱えながらも透くんたちを優しく見守ってあげていたはとりさんが、ようやく新しい人生を歩めるかもしれない、これにどれほど視聴者が救われたことか、計り知れないものがあるだろう。文句なしの傑作、最終章となる3期にも大いに期待したい。10点

 

ハクション大魔王2020

最高諸星すみれアニメーション。 10点

 

モンスター娘のお医者さん

エロアニメとして映像・喘ぎ声ともに良質なエロ表現であったし、ストーリーも意外と王道で、医療物語とエロの調和が綺麗な、全体的に好印象な作品だった。8点

 

放課後ていぼう日誌

釣りよりも魚を食べたい、そう思わせるアニメだった。8点。

 

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

まず、本作を典型的なラブコメに堕ちたと批判してる連中がいるがそれは全くの的外れである。本作は何をどう考えても由比ヶ浜結衣の失恋の物語である。八幡と雪乃のイチャコララブコメディなどではない。1期で八幡と距離を縮め、2期でアプローチを試みるも、3期で夢破れる。この展開こそが俺ガイルの核心である。本物?そんなものは犬にでも食わせておけ。八幡本人だって言っているだろう、本物は探し続けるものだと。パラドキシカルな言い方をするならば、本物などと定義できる時点でそれは本物ではないのだ。そのパラドックスに自覚的になることが成長だとも言える。そもそもラブコメには必ず失恋するキャラが現れる。それはラブコメが基本的に三角関係に基づいて主人公が正ヒロインを選択するからである。ラブコメに負けヒロインが伴うことはほとんど不可避の現実であるし、それをどう物語に組み込むかに作者の力量がかかっていると言って過言ではない。典型的なラブコメは、負けヒロインの描写よりも正ヒロインとのイチャイチャを重視する。それがオタクの妄想に合致するからである。せいぜい主人公は振った女のことなど忘れて性欲に走ればよい、貴様はまだガキなのだから、それがお似合いである。その陰に隠れた負けヒロインこそが妄想からズレた現実の体現者であり、名作を生む条件である。ラブコメアニメの金字塔として『とらドラ!』という作品があるが、これが名作たる所以も負けヒロインの描写力が徹底しているからである。正ヒロインと結ばれることと等しい次元で、なんならより深い視点で、負けヒロインの失恋を描くことが優れたラブコメの極意である。本作にも同様のことが言えて、4話で八幡が由比ヶ浜のもとを去った後の由比ヶ浜のモノローグは涙なしでは見れないし、そこからのED「ダイヤモンドの純度~Yui Ballade~」で発狂、さらに最終回のラスト、奉仕部の部室に由比ヶ浜が依頼に来るシーンで再発狂、観了した時は理性を維持できる精神状態をとうに越えていた。東山奈央の演技力ヤバイよ。「でも、これからもずっと仲良くしたいの。どうしたらいいかな?」この由比ヶ浜の、図々しいとも受け取られかねない言葉の裏に、どれほどの覚悟と意志が込められているか、想像するだけで正気を保ってはいられない。それはあたかも『凪の明日から』最終回において、美海が「まなか」とヒロインの名を呼び捨てにするシーンを想起させる。失恋によって人間関係の三角形は崩壊するように思えるが、実際はそんな単純なことではなく、その関係性は歪に持続するほかないのだ。だからこそ、負けヒロインは正ヒロインに対し、負い目を感じることなく、正々堂々と向き合うべきなのである。由比ヶ浜の目からは、確かにその決意を感じ取れる。彼女の望む、ずっと続く日常に思いを馳せて。我らが負けヒロイン、由比ヶ浜結衣に幸あれ!10点