2020年アニメ映画

アニメ映画が公開されれば一応足を運ぶようにしている。前評判や自身の興味関心に関係なく、アニメ映画ならばとりあえずは観る、という意味だ。勿論、公開されたアニメ映画をメジャー・マイナー問わず全て観ることはできないが(それをしている人が私の知人にはいるが)、なるべく観らよう個人的な努力を重ねた成果をここでは発表する。映画批評の大家である蓮實重彦は、ある程度真剣に映画レビューを書こうと思ったら最低でも2回は観るべきだと言った。今年観た映画で私が周回した作品は皆無である。そのため、以下のレビューは初見のフィーリングに大いに依拠している。そのことはあらかじめお断りしておく。今年は新型コロナウィルス感染症の影響で多くのアニメ映画が公開延期となり、中には来年まで公開が持ち越されたものも少なくない。困難な中上映にこぎつけた作品群に、敬意を払って鑑賞したい。前置きが長くなった。ネタバレはなるべくなしの方向で。

 

規則:2020年に日本で劇場公開された新作アニメーション(日本初公開の海外アニメや配信サービスを含む)

 

 

劇場版ハイスクール・フリート

TrySailに感情がまだあった頃に観たから終盤でかかる「High Free Spirits」と主題歌の「Free Turn」で発狂してた(追記:もちょライブで感情取り戻した)。ミリオタのオナニーである戦艦バトルも、劇場クオリティの豪快で迫力のあるものであり、かなり楽しめた。それ以外は特筆すべき点もない予定調和の進行であったが、唯一百合オタクにターゲットを絞ったような、ミケとシロに娘ができる展開は笑顔になった。

 

メイドインアビス 深き魂の黎明

テレビアニメから続く一つの物語に対して決着をつける意味でも楽しめたし、一本の映画としても良質な鑑賞体験を味わえた。エログロナンセンスを可愛らしいキャラクターの背景に織り込む手法は非常にスクリーン映えすると思う。

 

劇場版SHIROBAKO

テレビアニメの内容ほとんど忘れた状態で行っても楽しめたし、テレビアニメをもう一度観てから行って更に楽しめた。テレビアニメでテレビアニメを作ったのだから、次はアニメ映画でアニメ映画を作るという構成は至極納得のいくものであり、解散したメンバーがまた一堂に会して一つの作品を作り上げる様は観客の観たかったSHIROBAKOを必要十分に提供していたし、テレビアニメから5年の歳月が、そのままキャラと観客の生活とリンクする仕掛けも、我々の没入感を高めたと思われる。一本の映画としても良く出来ているが、ファンムービーとしても秀逸な作品である。

 

デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 

これかなり反省点があって、私はデジモンはテレビ版の無印しか観てないので、そもそもこの映画を語る資格がないんですよね。デジモンというキャラの属性的にこういうオチになるのは結構納得という感じではあった。

 

劇場版PSYCHO-PASS3 FIRST INSPECTOR

アマプラで視聴。一応まとめた感じにはなっているけど、テレビアニメに続きどうにも粗いなぁと思える点は多々ある。そもそも1時間枠の8話構成というイレギュラーな放送形式を選んでおいてオチは劇場版というのは、クリエイターとして恥ずかしくないのだろうか。冲方丁ファフナーに続き、PSYCHO-PASSまである種の年代記にしようと目論んでいるのか、続編がありそうな雰囲気でもあった。狡噛慎也常守朱等、シリーズにお馴染みの人気キャラの扱いも、ファンとしてはとても十分なものに思えない、雑と言われても仕方のないレベルであった。公開前には監督がTwitterで制作状況についての苦悩を吐露していたため、正直観るのが少し恐ろしかったくらいなのだが、映像面での完成度は一定のものを担保していたように思った。

 

泣きたい私は猫をかぶる

ネトフリで視聴。全然泣けない。コメントのしようがない。千と千尋の神隠しを思わせる異世界と現世の隙間はいい加減手垢のつきすぎた題材であり、その描写にも独創性がない。私は佐藤順一のことが好きだし、岡田麿里のことも好きだ。しかしどうもこの2人の相性は微妙なのではないか。卓越した個性がぶつかる結果として、当たり障りのない平凡なものが産み落とされている気がしてならない。

 

少女歌劇 レヴュースタァライト ロンドロンドロンド

テレビアニメの単なる総集編ではない。演劇的な実験性に満ちていた。テレビアニメで完全に決着がついた物語を継続させるためには、ラストのような多少強引に思える繋ぎ方が必要だったのだろう。この作品は単体で完結していない、続編たる完全新作映画を待ってのみ、初めて評価できる。

 

ドラえもん のび太の新恐竜

私は仮にもドラえもんファンなので、藤子F不二雄先生が亡くなって以降のドラえもん映画、とりわけ声優が公開して以降の映画はリメイクもオリジナルも退屈で閉口していたのだが、今回はかなり楽しめた。勿論、筋立てに粗い点があることも否めないが、それはF先生が原作を書いていた頃から少なからずあったことである。近年のドラえもん映画で私が最も違和感を覚えていたのは台詞である。ドラえもんは印象的な台詞回しが多く、それを意識してのことであろうが、オリジナル映画の場合は脚本家の自意識が台詞上に顕在化しているかのように思える無様でテンポの悪い言葉選びのオンパレードで、ドラえもんという作品の持つ構造的強度と全く噛み合っていなかった。それが今作では中途半端な台詞が登場しない。控えめで、調整の効いた台詞が並ぶ。この時点で心地良い。単にのび太の恐竜をリブートした作品であるだけでなく、終盤の展開は竜の騎士を想起させる、程よい原作リスペクトで評価できる。ドラえもんという作品から遠のき、幾らかアニメ映画の視聴本数を重ねる中で、私の許容範囲が広がったことは否めないが、この作品を起点に、ドラえもん映画は新たな地平を切り開くのではないか、そう思わせてくれる作品だった。映像も素晴らしかった。

 

劇場版Fate/staynigjt Heaven's Feel

Ufotableによる映像の迫力は言わずもがな圧倒的で、表情の細かい作画や声優の行き届いた芝居がキャラクターに奥行きを与える。反面、物語的には桜を救うという明確なゴールへ向かって一直線のため、3部作全体として見た場合一番起伏に乏しいパートでもあり、その点はやや平凡に感じないこともなかった。

 

映画 ギヴン

BLというジャンルに対する色眼鏡は全くもって不要、テレビアニメに引き続き真っ当な恋愛ドラマだった。ここまで良質な恋愛アニメは近年稀である。テレビアニメも素晴らしかったけれど、大学生組の2人に焦点を当てた作劇は、より複雑な心のやり取りが感じられてまた違った趣があった。特に私は人が振られる瞬間をどう描くかで恋愛ドラマの質は決定されると確信しているが、その点でも、あのキャラが振られるシーンは涙なしには見られない。

 

思い、思われ、ふり、ふられ

2時間の限られた尺の中に漫画の見せ場を詰め込んだようで話が雑かつ急展開すぎる、ほとんどギャグアニメ。あと島﨑信長の演技についてなのだが、前から思っていた通り、イケメン高校生の表現パターンが少なく、どのキャラも同じように聞こえてしまう。

 

劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン

泣いた。あの描写では正直少佐の言う「あいしてる」が結局のところロリコンの異常性愛なのではないかと思ってしまうけれど、少佐の過去を掘り下げたことでまぁ許そう。現代の視点からヴァイオレットの功績を振り返る作劇は、手紙というコミュニケーション媒体が人間の実存を問わず残り続けることを明瞭に物語る。その狂言回しとしてテレビアニメ10話に登場した少女の孫娘を使った点は、少々邪知深い気がしないでもないが、テレビアニメに引き続き声優を務めた諸星すみれの演技は言うまでもなく絶妙であり、これまた許さざるを得ない。ヴァイオレットがテレビアニメにおいて達成した成長が些か後退しているように感じられること、ホッジンズがテレビアニメに比して過保護すぎること、等々、違和感は幾らか認められるものの納得できないほどではないし、何よりヴァイオレットが少佐と結ばれるまでの流れはやはり美しいものであったし、それは素直に祝福すべきものであるように思った。先にも言った通り、手紙=作品は作り手に関係なく半永久的に残るわけだが、あの事件で亡くなられた方々の名前をエンドロールで確認するたびに、この事実はどうしても胸を締め付けるものであった。京都アニメーションに最大限のエールを。

 

新しい街 ヴィルヌーヴ

墨絵を用いた繊細で大胆な実験的映像は海外のアート系アニメ映画ならではだと思ったし、高畑勲かぐや姫の物語を想起させる。高年夫婦の心の機微は私には少し理解できない部分もあったが、複雑な感情を惹起させる作品だと思った。

 

海辺のエトランゼ

松岡禎丞の少年ボイスが可愛かったことしか印象がない。60分アニメだから尺的な問題もあるだろうけど、付き合うまでの流れをもう少し丁寧にやってほしかったかな。

 

劇場版BEM

脚本雑すぎ。子供向け映画でも今時もう少しまともな話考えるだろ。テレビシリーズがそもそも面白くないので映画に期待するのは無理な話ではあるのだが。

 

鬼滅の刃無限列車編

見所は一つ、最後の煉獄さんの戦いに尽きる。テレビアニメは基本的にずっとたんじろうの話で正直好きになれなかったのだが、映画では煉獄さんがしっかり大人としての立ち振る舞いを見せつけてくれて本当に頼もしかったしカッコよかった。ラストバトルまでの流れは冗長で、結局ありがちな展開ではあるが、やっぱり主人公たちに何かを残して死んでいく先達の描写が私は好きなんですよね。日野聡の演技も急すぎるように思える展開の中で煉獄さんのキャラクターに説得力を持たせていたし、石田彰演じる上弦の三とのバトルも文字通り熱かった。エンドロールも煉獄さん一色で、LiSA歌う「炎」がその雰囲気に絶妙にマッチして良き。

 

映画 プリキュアラクルリープ みんなとの不思議な1日

コロナで遅れて秋公開になってしまった春恒例のクロスオーバー映画。春映画は基本的にファンサービスしてなんぼだと思ってるので、その点は結構満足だったかなという感じ。

 

ウルフウォーカー

海外アニメは作画で殴るという原則に忠実な映像美、エコフェミニズム的な世界観、わかりやすいストーリーライン、非常によく出来た作品だった。

 

羅小黒戦記

名アニメーター井上俊之が太鼓判を押すのも頷ける圧巻の映像世界、生き生きとした自然と迫力あるアクション、それだけで鑑賞するに十分な価値がある。物語内容はシンプルなように見えて、敵味方の境界を曖昧にさせるほど奥行きのある背景が設定されており、単なる中国共産党プロパガンダ映画とは呼ばせないだけの完成度を誇っている、良質なエンタメである。

 

クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者

キッズ映画ならこのくらいで面白いのかもしれない。クレしん映画から離れすぎていたので幼児期のような楽しみ方を忘れた。原恵一の監督作品はどれも楽しんでた記憶があるので、やっぱ根本的な内容が甘かった気がする。

 

どうにかなる日々

思春期のゆらぎが好物なので、3話と4話は結構楽しめた。4話のラストの台詞、そう来るとは容易に予想できたが、それでも気持ち良い迂遠のカタルシス。声優の対談を上映前に流すのは邪悪、微妙にネタバレ喰らったしせめて上映後に流してくれ。上映時間が短い上にオムニバスなのは見やすくて良い。

 

ミッシング・リンク

ストップモーションアニメの最高峰に相応しい映像世界を鑑賞するだけでも一件の価値はあるだろう。ただ、映像に気合を入れるあまりなのか、脚本は難点を含む。ヒロインの活躍はフェミニズムの文脈で把握可能だし、異種BL的な文脈での理解も可能であるが、そんなものは大した評価対象にはなり得ない。

 

蒼穹のファフナー THE BEYOND 第7話「帰らぬ人となりて」、第8話「遺されしを伝え」、第9話「第二次L計画」

前回の悲劇的な幕引きからどのように話を展開するのか、サブタイトルにあるあのL計画をもう一度やるのか、など不安を抱えつつ戦々恐々の面持ちで劇場に向かったが、今回はまだ希望を残す内容でホッとした。敵のフェストゥムがどんどん強くなる一方で、アルヴィス陣営のファフナーも負けじと進化し、無双する一騎や総士の姿は、我々に幾許かの安心感を与えてくれる。年代記であるファフナーは相変わらずキャラの成長が見所で、特に終盤の零央と美三香の奮闘はEXODUSの彼らを知っている分、本当に胸が詰まる思いになった。次回で完結のようだが、果たして本当に終わらせる気があるのか、風呂敷広げすぎてないか、まぁファンとしてはずっと続けてくれて構わないのだが、と様々に気持ちは入り乱れるが、なんにせよ期待して待ちたい。

 

君は彼方

ヒット映画にありがちな要素をパッチワークで無理やり繋げたお粗末な作品という評価を方々で耳にしたが、それに対して特に付け加えるべき点はない。端的に言ってギャグ映画であろう。特に突然歌い出す→何も解決せずに戻ってくるというお笑い展開に顕著だが、何度も同じような話を延々としてるので尺はさほど長くないのに退屈な視聴体験であった。池袋のイメージアップ戦略なのか、豊島区から相当金をもらっているようだが、このクオリティでは逆効果ではないのか。

 

魔女見習いをさがして

完全にファンムービー。映画単体として成立しているとは言い難い。まず幼少期におジャ魔女どれみに触れていた主人公3人であるが、彼女たちにキャラクターとして立体感を与え得るだけの背景は存在しない。それは非常に曖昧かつ抽象的なものであり、これは旅の途中で出会う青年(第4の主人公と言える)にも当てはまる。理由は簡単で、観客が自己投影するにはキャラが空虚な器でなければ成立しないからだ。その点からもこの作品がファンムービーであることは容易に理解できる。キャラのドラマが弱いのに、劇伴や挿入歌、作画・演出等々は、当時のものを応用又は改変した形で用いられているため、懐古的な気分だけはやたらと募る。第一、おジャ魔女どれみは実に4年の歳月をかけて少女たちの成長を描いているわけで、その厚みに90分で対抗できるはずがなく、当然そんなことは佐藤順一たちも理解しているからこそ、徹底的にファンムービーとして楽しめるように、表面的に別作品かのような皮を被せつつ、この映画を作り上げていることは自明であろう。とはいえ、つらつらと批判的なことを書いたが、おジャ魔女を直前に回収した私でも単純に感動的な気分でうるっとなったし、リアタイ世代からすれば本当に泣かせる作品であったことは間違いない。

 

グリザイア:ファントムトリガーTHE ANIMATIONスターゲイザー

前作はまだキャラと世界観の説明といった感じでパンチの弱い印象を拭えなかったが、今作からはしっかりとキャラに踏み込んだドラマが展開されている。現代のミッションと過去のトラウマ、この二つを行き来することでキャラの内面に迫るシンプルな作劇に、狙撃や銃撃の丁寧なアクション描写がフェティシズム溢れる彩りを与える。60分と上映時間が短いながらも、中編として綺麗にまとまっており、一般の映画として満足度の非常に高いものであった。ちなみに私は映画鑑賞当時原典にあたるグリザイアシリーズを未回収であり、つい先日回収が完了したばかりなのだが、こちらの方が当然だがよりミリタリー重視の作劇と演出がなされていると感じたし、個人的にもこちらの方が好みである。いよいよミリオタの勉強をする時が来てしまったか...

 

Fate Grand Order

場面転換とアクションで目まぐるしく展開していくのはいかにもソシャゲアニメという感じだった。この映画の観客層は、FGOのプレイヤー、もしくは私のように少なからずFateシリーズの知識のある者がほとんどを占めるのだろうが、それにしても前提知識として要求されてるものが多いように思ったし、一本の映画として独立性の高い作品とは呼べない。作劇上の疑問も幾つかあるが、これは前編であることを勘案してまぁ保留することにしよう。レジェンドアニメーター黄瀬和哉が絵コンテ・演出をはじめキャラクターデザイン・総作画監督を兼任するなど映像面で全面的に活躍していることもあり、バトル等の作画はそれなりに良質であったように思う。

 

エスかノーか半分か

意味深なタイトルを綺麗に回収してくれる作品は好きだ。ラストのセックスシーン、半分だけ入れる、いや我慢できない、全部入れちゃった、、、。最高である。結局これをしたかったのだろう。マスクの有無で2つのペルソナを作り出し、最終的にはその両者を受け入れる三角関係も面白い仕掛けだった。同時上映されていたまるだせ金太狼に関しては、病的とも言える設定と意味不明なホモギャグが最高に笑え、作品間の落差に耳がキーンっとなった。

 

FUNAN

カンボジア内戦を題材としたなかなかにエグい作品であった。作画も良質で映像面の出来栄えは素晴らしいかったが、中でも背景美術はとりわけ完成度が高く、美しくもただそこに圧倒的なスケールで存在する自然との対比により、極限状況に置かれた過酷な人間生活が更に浮き彫りになっている。単なる勧善懲悪ではない、人間存在の普遍的な変容と尊厳の在り方を描いた傑作である。

 

ジョゼと虎と魚たち

宮本侑芽の飛び抜けた演技力には毎回驚かされる。一言一言の重みがまるで違う。やっぱ恋愛作品は負けヒロインの魅力で9割決まるんですよねえ。主役を務めた中川大志と清原果耶も、俳優に声優をさせるなというオタクのつまらぬ愚痴を弾き飛ばす好演だった。物語自体は王道で後味も心地良い清涼感を残すものだったが、もっとエグい内容にすることは幾らでも可能だったであろうし、個人的にはむしろそちらの方が良かったかもしれないが、作劇がシンプルな分、映像等の地力が際立っていた。

 

えんとつ町のプペル

諸星すみれが最初に発話するキャラを務めたことが作品の方向性を規定しているように思った。つまり、彼女の声の出し方が、彼女がディズニー映画の吹き替えで行っているものと同型だったので、この作品はディズニー映画を意識しているのだろうと予想ができた。この予想はデフォルメされたキャラの動き(ルビッチの笑顔やプペルの歩き方)ややけに真っ直ぐな声優の演技(特に優等生的子役芝居の芦田愛菜)や大掛かりな絵作り(えんとつ町の風景やラストの爆発)などから裏付けられることになった。流石は諸星すみれ、天晴な演技力である。

 

劇場版ポケットモンスター ココ

作中で親子親子言いすぎて途中で観ているこっちが恥ずかしくなったほどだが、ポケモンはそもそもがファミリー映画であることを考えるとさもありなんといったところだろう。ストーリー展開はどこかアバターを思わせ、良く言えば王道、悪く言えば予定調和であったが、これもキッズ映画であることを考えれば当然だろう。一点、ポケモンという種は根本的に人間に従属する存在であるはずなので、町で花火を人間とポケモンが見ている姿をもって両者の友愛を知るココの思考回路は人間寄りなバイアスがかかってはいないかと思ったし、少々欺瞞的に思ったが、だからこそ最後のココの決断は意義を持つのかもしれぬと思った。

 

以上2020年12月31日時点、暫定的に記す。また何か観たら追加します。